...平板なる記実にもし幾分たりとも故人の人物を想到せしむるを得たならこの一篇の目的は達せられている...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...細い首筋をつきだしゆっくり平板な顔を廻してみせる動作...
田中英光 「さようなら」
...露骨な真実、平板な虚欺、その二つの世界の境界に中立地帯のようにしかも高次元の空間に組み立てられた俳諧の世界がある...
寺田寅彦 「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」
...」とホームズの平板な声...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...現に平板なマルクス主義的常識と雖も...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...平板なものを強力なものにまで高める筈であったこの積極的新思想は...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...忽ち平板な貧寒な理論となる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...平板なる如くにして表裏あり是れ其の伊藤侯と合ひ易き所以なりと然れども余の彼れに見る所は別に是れあり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...馬鹿げた崇厳さと平板な和声とをもって重々しく進んでいった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その平板な音楽に安易を覚えた聴衆は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女には詩のように思われる気取った平板な文体で書かれてる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...全く人造掘割の平板な通水路にされてしまっている...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...最も平板な極めて散文的な効果しか与え得ない筈であるのに...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...平板な河口の水面と...
本庄陸男 「石狩川」
...今では平板なる低地のようにも解せられているけれども...
柳田國男 「地名の研究」
...しらじらと平板な感じしか与えないようであった...
山本周五郎 「季節のない街」
...多く常人の平板な感情に止まり...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...写真によって代表せられるような平板なものではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索