...もちろん実際は自分の姿を見付けることはできないであろうが、しかしこの人にとっては地球は、あるいは正しく言えば海面は、全く平板な、そうしてすべての方向に無限の遠方に広がる面であるように見えるであろう...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...画一平板な習俗を懸命に追うてただすら他人の批評に気をかねる常道の人々からは...
岡倉由三郎 「茶の本」
...細い首筋をつきだしゆっくり平板な顔を廻してみせる動作...
田中英光 「さようなら」
...要するにこれら映画の作者がすぐれた芸術家であるという平板な事実を証明するものである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...しかしこの平板な野の森陰の小屋に日当たりのいい縁側なりヴェランダがあってそこに一年のうちの選ばれた数日を過ごすのはそんなに悪くはなさそうに思われた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...しかし此の平板な野の森陰の小屋に日當りのいゝ縁側なりヴェランダがあつて其處に一年の中の選ばれた數日を過すのはそんなに惡くはなささうに思はれた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...」とホームズの平板な声...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...現に平板なマルクス主義的常識と雖も...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...平板な常識のもつ抵抗力は要するに消極的なものに他ならない...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...平板なものを強力なものにまで高める筈であったこの積極的新思想は...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...忽ち平板な貧寒な理論となる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...彼女のような平板な生活をしていると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女には詩のように思われる気取った平板な文体で書かれてる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...最も平板な極めて散文的な効果しか与え得ない筈であるのに...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...他の新聞の穩健平板な文化欄とはちがつてゐた事は...
正宗白鳥 「回想」
...それから全体の場面のやや平板なことであるが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...つとめて平板な調子を保ちながら続けた...
山本周五郎 「季節のない街」
...弱よわしく平板なひびきを持っていた...
山本周五郎 「さぶ」
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