...もちろん実際は自分の姿を見付けることはできないであろうが、しかしこの人にとっては地球は、あるいは正しく言えば海面は、全く平板な、そうしてすべての方向に無限の遠方に広がる面であるように見えるであろう...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...平板なる記実にもし幾分たりとも故人の人物を想到せしむるを得たならこの一篇の目的は達せられている...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...」とホームズの平板な声...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...普通ブルジョア社会科学者や平板な常識が想像するように...
戸坂潤 「科学論」
...現に平板なマルクス主義的常識と雖も...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...平板なものを強力なものにまで高める筈であったこの積極的新思想は...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...忽ち平板な貧寒な理論となる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...平板なる如くにして表裏あり是れ其の伊藤侯と合ひ易き所以なりと然れども余の彼れに見る所は別に是れあり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...馬鹿げた崇厳さと平板な和声とをもって重々しく進んでいった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女のような平板な生活をしていると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...平板な敗者の安心感だけで...
林芙美子 「瀑布」
...何處といつてとりたてて云ふほどもない平板な顏に...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...他の新聞の穩健平板な文化欄とはちがつてゐた事は...
正宗白鳥 「回想」
...かくして無限に平板な明け暮れは...
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...今では平板なる低地のようにも解せられているけれども...
柳田國男 「地名の研究」
...それから全体の場面のやや平板なことであるが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...しらじらと平板な感じしか与えないようであった...
山本周五郎 「季節のない街」
...写真によって代表せられるような平板なものではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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