...ことに平安なる精神は最上の回復剤なるを知るべし...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...そしてそこに、従来の平安な、半獣的自由の生活が失われて、いわゆる文明が生れかけて来た...
大杉栄 「征服の事実」
...大地主さんの平安な航海と無事の帰航とを祈りに...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...一応は平安な日日が過ぎ去って行くようである...
外村繁 「日を愛しむ」
...平安な日日が続いた...
外村繁 「澪標」
...より平安な前途と遠くに勝利とを瞥見(べっけん)させる右の報知が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...雀は最も平安な場所を本能的に選んで...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...久光は、こうした最後の時にまでなって、猶、お由羅にいいよう、斉興にいいよう――己の子の哲丸がいるのに、それを犠牲にして忠義を立てよという斉彬の心に対して――斉彬に、謝するよりも――お由羅の陰謀を、悉く知っていて、猶、父のために、島津のために、平安なれと、祈っている斉彬の心へ、泣いて謝するよりも、こうした斉彬の心事を、何一つ察しないで、事ごとに斉彬を苦しめてきた父母に対し、将曹等に対し、押えきれぬ激怒が湧き上ってきた...
直木三十五 「南国太平記」
...ドイツの社会情勢がカールをその平安な計画から追いたてた...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...七難なきもの平安なものから...
柳宗悦 「民藝四十年」
...平安な温かい家庭ができるに違いない...
山本周五郎 「いさましい話」
...おしのは平安な顔をしていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...平安な一生がおくれるように努めるつもりだ」「貴方には...
山本周五郎 「竹柏記」
...御臨終は満ち潮のしぜんと退(ひ)いてゆくような御平安なものだったという...
山本周五郎 「日本婦道記」
...家柄と身分とで平安な生活ができたことだろう...
山本周五郎 「橋の下」
...平安な暮しにはいりたいと思うなら」と玄四郎が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...嘘のように平安なお祖父(じい)さんの寝顔...
山本周五郎 「柳橋物語」
...これ以上に人の心身ともに救う平安な言葉というものは...
横光利一 「旅愁」
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