...しかもこの研究所に居て洋服はおろか袴(はかま)もつけていない平凡な服装をしているのを発見して驚いてしまった...
海野十三 「階段」
...見るといつもの通りの奇想でもなく平凡な事が難澁な調子でいつてある...
高濱虚子 「俳諧師」
...本来の平凡な言葉として歯牙(しが)にかけるに足らないであろうが...
高浜虚子 「俳句への道」
...平凡な生活者に語りたかったのか...
高見順 「いやな感じ」
...自分の膝の上にあっては只の平凡な手に見える...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...平凡なだけ嫌味はない...
種田山頭火 「其中日記」
...平凡なニュース映畫の中の幾呎かを適當に切取ることによつて...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...三の平凡な旋律(メロディー)以外には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...平凡な人の姿と鳥の鳴き声から得られるのだ...
豊島与志雄 「自由人」
...これは二十三四の平凡な男です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...白粉(おしろい)っ気もないこの平凡な娘に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...口へ出して言うと似もつかない平凡なものになって...
平林初之輔 「オパール色の手紙」
...私は平凡な男で、まあ長年実業界暮らしですが、仕事だけがすべてじゃないと最近気づき始めました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...平凡なものですよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...平凡な階級の男の顔ではなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...平凡な通常な工藝になり得るほどに工藝を高めてゆかねばならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...ややほそ面の平凡な顔だちであるが...
山本周五郎 「竹柏記」
...沢庵は城太郎のてまえ、多くをいわなかったが、ただ、「あれもやはり、平凡な、つまらん人間でしかないとみえる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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