...武尊巖の側の稍平らかなる處にもどり來りて...
大町桂月 「妙義山の五日」
...地面は平らかにして美しい小石や砂がまいてあった...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...天下は平らかに治まり...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...漱石氏の心はよほど平らかになった模様であった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...心のうちでは一概にうすっぺら扱いされるのに平らかでないものがあった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...平らかな前途が見出されるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...近藤に平らかならざるものも...
中里介山 「大菩薩峠」
...街道は平らかである...
長塚節 「旅の日記」
...錯落(さくらく)と平らかに敷き詰めたる径(こみち)に落つる足音は...
夏目漱石 「虞美人草」
...例へば静かに平らかに鏡のやうに澄み切つた水面の上に投げられた一箇の石のやうなもので...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...平らかならぬ二人が...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...其でもあなたの心持がやっぱり相変らず平らかで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...問題の核心と自分の内部とがぴったり一致して生じる落ついた、平らかな、追究的なのびた力ではなかったと思う...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...大海全体を凪(な)ぎ静まらせ平らかにして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...平らかな地域へはいこんだ...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...その平らかなる表面を靜かに...
吉江喬松 「山岳美觀」
...平らかな荒地の其處此處で...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...常に箒目(ほうきめ)のたててある平らかな庭土と...
吉川英治 「新書太閤記」
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