...ちょうど引潮の海の色は、煙の中に藍(あい)を湛(たた)えて、或(あるい)は十畳、二十畳、五畳、三畳、真砂(まさご)の床に絶えては連なる、平らな岩の、天地(あめつち)の奇(く)しき手に、鉄槌(かなづち)のあとの見ゆるあり、削りかけの鑪(やすり)の目の立ったるあり...
泉鏡花 「悪獣篇」
...山肌の一寸平らなところに...
大阪圭吉 「白妖」
...品はいいがしかしどこか助平らしい...
大杉栄 「獄中記」
...氏は大分不平らしかったけれども...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...呼吸はだんだん平らになって...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「麻酔剤」
...平らな高原の中の一本道になった...
田中英光 「箱根の山」
...それもペロリと平らげてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...四五間平らな路を縫うように突き当った所で...
夏目漱石 「坑夫」
...罐の底がいつでも平らに鉄板にあたるようにし...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...道が斯んなに青白く平らで...
牧野信一 「歌へる日まで」
...道は平らな広い暗い野の中についているらしい...
水野葉舟 「遠野へ」
...すると猫大いに力附いてついに一疋余さず平らげてしまったと記す...
南方熊楠 「十二支考」
...少なからず平らかでなかつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...――全く少し感情の強い現世的な人間が、あの整った自然の風景、静かな平らな、どこまでも見通しの利く市街、眠たい、しきたりずくめの生活に入ったら、何処ぞでグンと刺戟され情熱の放散を仕たいと切に望むだろう...
宮本百合子 「京都人の生活」
...もうもとの通りに平らになっていた...
森鴎外 「阿部一族」
...地球を平らなものと考えていたので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...十州二十州を平らげ...
吉川英治 「三国志」
...頂上はいくぶん平らかに見え...
吉川英治 「三国志」
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