...最良の小麦粉は水を加えてペースト状にしたときに、非常に粘りこく(gluey)、可塑性(ductile)のある、弾性的なペーストであり、捏ねるのが容易で、切れないで、伸ばしたり、平らにしたり、どちらの方向にも引張ることの、できるのが望ましい...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...今まで赤らめてゐたその顏へ急に不平らしい色を加へて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その上に滑走路(かっそうろ)用の舗装材料が平らにのせてある...
海野十三 「一坪館」
...こんな平らな鏡が...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...私は突然、平らな、安全な地面から、どしんと深い陥穽(おとしあな)へ叩(たた)き落され、穴の底から、高い所をガヤガヤ笑いながら通って行くナオミや、熊谷や、浜田や、関や、その他無数の影を羨(うらや)ましそうに見送っているのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...神経質に両耳を平らにした...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...床はたわんで反り返っているため平らでない...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「サセックスの吸血鬼」
...沖は平らに凪ぎながら...
豊島与志雄 「丘の上」
...鍋は沸々として煮立つと突き上げられて居た蓋が自ら鍋と平らにさがる...
長塚節 「佐渡が島」
...牡鹿半島は一望晴朗としてテーブルへ掛けた絨布の如く平らかで且つ青い海の上に低く長く連つて其先端にとがつた金華山が聳えて見える...
長塚節 「旅の日記」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...袋の中はいつ見ても油を注(さ)したと思われるほど平らかである...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...先に霧を吹いた分がほぼ乾いて皺(しわ)がおおかた平らになっていた...
夏目漱石 「門」
...その形は、天井が多少アーチ型で、底は平らになり、鉄道のトンネルのようにどこまでも蜿蜒(えんえん)とつづいているから、それで熔岩隧道というのである...
久生十蘭 「地底獣国」
...二十ばかりの平らな頭が持ち上がり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...蛇多きを平らげんため欧州から野猪を多く移し放った...
南方熊楠 「十二支考」
...東宮の母君の女御は舞い手の美しさを認識しながらも心が平らかでなかったのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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八木重吉 「貧しき信徒」
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