...行手の堤の蔭には不格好に尨大な黒ずんだ建物がごつちやになつて平らな麥畑の中に建つてゐた...
有島武郎 「幻想」
...地やゝ廣くして平らか也...
大町桂月 「妙義山の五日」
...何を怒るのかはつきり判らなかつたが何でも照ちやんなどが度外れに早く起出たのが不平らしかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...又非常に不平らしい顔をして...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...床はたわんで反り返っているため平らでない...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「サセックスの吸血鬼」
...河の平らな面(おもて)に丸い輪を描くと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いつもの平らな地面ではなく...
中島敦 「狼疾記」
...「一夜(いちや)の後(のち)たぎりたる脳の漸く平らぎて...
夏目漱石 「薤露行」
...四五間平らな路を縫うように突き当った所で...
夏目漱石 「坑夫」
...豆板を三四枚平らげて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平らに均らされ純粹形相の世界が展開されることによつて...
波多野精一 「時と永遠」
...二三を拾ふと いづくへか帰る日近き心地してこの世のものの懐しき頃 大磯の高麗桜皆散りはてし四月の末に来て籠るかな 小ゆるぎの磯平らかに波白く広がるをなほ我生きて見る もろともに四日ほどありし我が友の帰る夕の水薬の味 等があげられる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それだからなおお互いに傷つけあわねば心が平らにならぬ...
本庄陸男 「石狩川」
...ついにこれを平らげその皮と齶をローマの一堂に保存した(プリニの『博物志(ヒストリア・ナチュラリス)』八巻十四章)...
南方熊楠 「十二支考」
...それ故きめこまやかに重く平らにすぎていて何といい心持でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...東宮の母君の女御は舞い手の美しさを認識しながらも心が平らかでなかったのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...くぼみたる階をつくりてそのいただきを平らかにしたれば...
森鴎外 「文づかい」
...「ご不平らしいの」兼好は...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索