...妙に常軌を逸した...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...母は生れつき繊弱なたちで過度の房事には堪えられないのに、父が無理やりに云うことを聴かせ、常軌を逸した、よほど不思議な、アクドイ遊戯に耽(ふけ)るので、心にもなく母はそれに引きずられているのだと思っているらしい...
谷崎潤一郎 「鍵」
...その外彼の常軌を逸した残忍な行為や婬蕩(いんとう)な振舞について...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...人類の脅威は精神的肉体的に常軌を逸したる者から来ると告げる...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...みんな常軌を逸した病人ばかりかと思っていたが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...少々常軌を逸した話だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...なにか常軌を逸した...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...殆んど常軌を逸した行為が...
豊島与志雄 「悪夢」
...やや常軌を逸したきわめて親しみ深い活発なお人よしだったからである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そうだろ?」「私の可哀想なナジー」デルフィーヌは父の顔の上に刻まれた悲しみからくる野蛮で常軌を逸した表情にぎょっとして言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...眼の前にいささか常軌を逸した光景が展開した...
久生十蘭 「黒い手帳」
...いずれにしても常軌を逸したやり方という他はないのである...
久生十蘭 「魔都」
...あんな常軌を逸した決心をしたのではあるまいか...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...私は常軌を逸した飲み騒ぎに惑溺(わくでき)し...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...こんな常軌を逸したいろんな冒険の中へ落ち込んでしまうことができたのかしら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...かなり芝居たっぷりに山田の主人の常軌を逸した行動を批難して話して聞かせた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...主人の常軌を逸した行動や...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こういった常軌を逸した方形の石組みの山には説明しようのない脅威と凝縮された恐怖のオーラが漂っていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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