...時々風に揺(ゆ)れる後(うし)ろの常磐木...
芥川龍之介 「浅草公園」
...65前の常磐木(ときわぎ)のかげにあるベンチ...
芥川龍之介 「浅草公園」
...常磐木以外の木はすべて葉を失った裸木ですが...
石川欣一 「山を思う」
...今までは蕭条(しょうじょう)として常磐木(ときわぎ)のほかの万木千草はことごとく枯れ果てたかと思われていた中に...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...常磐木の黒ずんだ葉から水烟のように霜だの雪だのを蹴散らして行った...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...美しい常磐木(ときわぎ)の緑と...
寺田寅彦 「先生への通信」
...すると常磐木の繁(しげ)り...
永井荷風 「監獄署の裏」
...待合の富士見町にあるもの菊の家、梅月、寿鶴(後に相模家)、常磐木、寿々村の如き今なほ僕の記憶するところなり...
永井荷風 「桑中喜語」
...常磐木の茂りの並び立つ道の彼方からの声がきこえる...
永井壮吉 「冬日の窓」
...小春の筑波山は常磐木の部分を除いては赭く焦げたやうである...
長塚節 「寫生斷片」
...地味(ぢみ)な常磐木(ときはぎ)を除(のぞ)いた外(ほか)に皆(みな)次(つぎ)の春(はる)の用意(ようい)の出來(でき)るまでは凄(すご)い姿(すがた)に成(な)つてまでも凝然(ぢつ)としがみついて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...そうして暑い日を遮(さえぎ)る高い常磐木(ときわぎ)を見ていた...
夏目漱石 「行人」
...曇った常磐木(ときわぎ)の影が映る時のようである...
夏目漱石 「三四郎」
...松は四季を通じていつも緑の色を湛えた常磐木で...
牧野富太郎 「植物記」
...よい形をした常磐木(ときわぎ)にまとった蔦(つた)の紅葉だけがまだ残った紅(あか)さであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...北海の水蒸気はいつでも春の常磐木を紺青にし...
柳田国男 「雪国の春」
...そして森なかの常磐木にからんで枝垂れてゐる通蔓草(あけび)の花がいま盛りである...
若山牧水 「家のめぐり」
...常磐木を分けてゆくのであるが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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