...紅海に船早(は)や浮ぶ帰帆疾(と)し五月十四日 スヱズ運河通過...
高浜虚子 「五百五十句」
...疲れると帰帆の檣上(しょうじょう)にならんで止って翼を休め...
太宰治 「竹青」
...さればお城から見わたしますと、眼も遥かな山河が絵のように打ちひろがり、平等院(びょうどういん)、扇の芝、塔の嶋、山吹の瀬、宇治おち、かたうらの蔵松、真木の鈎月、伏見の指月など、名所古蹟は申すまでもなく、西は八幡、山崎、狐河、淀、一口(いもあらい)のあたりへかけ、長江悠々として千鳥のこえも此処彼処(こゝかしこ)にきこえ、遠浦の帰帆、漁村の夕照、四季おり/\の風情(ふぜい)おもしろく、定めし見飽かぬ眺めだったでござりましょう...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...帰帆もまた同様なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...乞う旨に任せ帰帆致さすべく取計うの間...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...帰帆はいきな送り舟その爪弾きの糸による...
三好十郎 「斬られの仙太」
...帰帆はいきな送り舟その爪弾きの糸による...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...遠く物見に下江(くだ)って行った一艘が帰帆してきて...
吉川英治 「三国志」
...それぞれの自国へさして一たん帰帆(きはん)して行ったが...
吉川英治 「私本太平記」
...これがかねて噂にも聞く牧谿の遠浦帰帆之図(えんぽきはんのず)...
吉川英治 「新書太閤記」
...遠浦帰帆(えんぽきはん)など持って...
吉川英治 「新書太閤記」
...神谷家に伝来する牧谿の遠浦帰帆も...
吉川英治 「新書太閤記」
...やがては遠浦帰帆を持っても然るべき茶人となり得よう...
吉川英治 「新書太閤記」
...牧谿画(えが)く遠浦帰帆の紙中の墨にまで滲(にじ)みあうような湿度であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...遠浦帰帆(えんぽきはん)ひとりの卑怯者(ひきょうもの)もいなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...牧谿(もっけい)の遠浦帰帆之図(えんぽきはんのず)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...宗湛は携えていた遠浦帰帆之図(えんぽきはんのず)の箱をそこへさし置いて...
吉川英治 「新書太閤記」
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