...「帆柱」帆を掛けるための柱...
...帆柱(ほばしら)...
泉鏡花 「印度更紗」
...さりとも小僧のみぎりはの、蒼(あお)い炎の息を吹いても、素奴(しゃつ)色の白いはないか、袖の紅(あか)いはないか、と胴の間(ま)、狭間(はざま)、帆柱の根、錨綱(いかりづな)の下までも、あなぐり探いたものなれども、孫子(まごこ)は措(お)け、僧都においては、久しく心にも掛けませいで、一向に不案内じゃ...
泉鏡花 「海神別荘」
...帆柱は、一たまりもなくへしおれた...
海野十三 「恐竜島」
...船は十八トンでアンテナを張った帆柱が低かったにもかかわらず四マイルの距離で通話自在であったという...
寺田寅彦 「話の種」
...全く石川島(いしかはじま)の工場を後(うしろ)にして幾艘となく帆柱を連ねて碇泊するさま/″\な日本風の荷船や西洋形の帆前船(ほまへせん)を見ればおのづと特種の詩情が催(もよほ)される...
永井荷風 「水 附渡船」
...帆柱の下にあたる最上の席は...
中里介山 「大菩薩峠」
...よろよろとして帆柱の縄に身を支えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...さあ、帆柱を叩き切るんだ、帆柱を...
中里介山 「大菩薩峠」
...帆柱を切っちまうんだ」帆柱の下で躍り上って...
中里介山 「大菩薩峠」
...斧で打ち込んでおいた帆柱の切れ目が...
中里介山 「大菩薩峠」
...左右に低き帆柱を控えて...
夏目漱石 「幻影の盾」
...出陣、帆柱の旗、戦……と順を立てて排列して見る...
夏目漱石 「幻影の盾」
...「帆を張れば、舟も行くめり、帆柱に、何を掲げて……」「赤だっ」とウィリアムは盾の中に向って叫ぶ...
夏目漱石 「幻影の盾」
...ランマンと咲いた地球の上にランマンと飛ぶ雪の砲丸さあゐつぱいの力だゐつぱいに足をふまへて私はせいゐつぱいに弓を張らう!酔ひどれ女鉄くづのやうにさびた木の葉がハラ/\散つてゆくと街路樹は林立した帆柱のやうに毎日毎日風の唄だ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...ハンドウにひかれて帆柱が縦に倒れて舳を割ることがある...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...今日もなほデンマルクの國歌として愛誦せられてゐる『クリスチャン王は高き帆柱に近く立つ』Kong Christian stod ved hoje Mast や...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...帆柱を立てる腕木を刳(く)り抜いたり...
夢野久作 「爆弾太平記」
...帆柱から支えばしらを渡し...
吉川英治 「私本太平記」
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