...已むなく船を途中で停めて荷物を縛り直したほどであつた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...これはあるいは已むを得ぬ...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...文太郎は他の用事に携はつて居る時は已むを得ず春三郎自身が磨かなければならなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...春三郎は手に刃を持つて居れば後から其冷刻な臭骸を屠つて遣り度いと迄逆上したが病人の事も氣になつて已むを得ず踵を返した...
高濱虚子 「續俳諧師」
...已むなく今度亜米利加(アメリカ)の方へ留学地を変えることになりましたが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...けれども僕には文章を作る才能(タレント)だけしかないのだから已むを得ない...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...いやでも已むを得ないのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...單に知的の面よりして一切の事象の已むべからざることを知つたからといつて...
朝永三十郎 「學究漫録」
...延て或は皇室の威嚴を傷け奉るの虞なきを得ず是れ華族改革の到底已む可からざる所以なりと苟も貴族院に於ける華族の行動を目撃するものは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...萬已むを得ません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...挨拶拔きの冷たい事務的な態度になるのも已むを得ないことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...されば若し税を徴することなくして已むを得ば...
原勝郎 「貢院の春」
...人類全体のことを思えば已むを得ない...
平林初之輔 「人造人間」
...石を建てるのはいやだが已む無くば沢庵石のやうなごろ/\した白い石を三つか四つかころがして置くばかりにしてもらはう...
正岡子規 「墓」
...已むを得ず乞胸の配下になつたので...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...遂に相見ることの已むべからざるに至つたやうに推測する...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...已むことを得ずしてこれに言及したに過ぎない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...國人は已むを得ずして仲の弟を立てたり...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
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