...径庭(けいてい)があつたのは已むを得ない...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...何時已むべしとも見えず...
石井研堂 「元日の釣」
...そこで秘密漏洩(ろうえい)を恐れ已むなく彼を殺すと...
海野十三 「獏鸚」
...已むなく船を途中で停めて荷物を縛り直したほどであつた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...已むを得ず旧地(もとぢ)の新橋駅から...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...さらばとばかり、腹には涙、劍は武士が浮世の役目、已むを得ず、首うちおとしけるが、つく/″\無常をさとりて、國へもかへらず、そのまゝ出家して、名を浮世と改め、懇に弘次の菩提を弔へりとぞ...
大町桂月 「國府臺」
...移植上已むを得ざるものと見えたり...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...已むを得ず、引きかへしぬ...
大町桂月 「妙義山の五日」
...英一は已むに已まれぬ程の熱心さで何とも仕方がなかつた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...或いは已むを得なければ「五・一五+血盟団事件」として...
戸坂潤 「社会時評」
...延て或は皇室の威嚴を傷け奉るの虞なきを得ず是れ華族改革の到底已む可からざる所以なりと苟も貴族院に於ける華族の行動を目撃するものは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...本年島崎藤村子亦門弟子の為に遂に意を枉(ま)げて誕生五十年の賀宴を張るの已むを得ざるに至れりという...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...已むなくんば、蒼(あお)い空の下と思っていたが、この天気ではそれも覚束(おぼつか)なかった...
夏目漱石 「それから」
...庶民に同情しようと思い定めたことはまた已むを得ない...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...已むに已まれぬ安全瓣(べん)だつたのかも知れません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女は已むを得ない事情のために私を裏切ったことを...
平林初之輔 「秘密」
...已むことを得ずしてこれに言及したに過ぎない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...貞白は已むことを得ずして筆を把つたが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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