...人間ばかりは已む時なく肉慾の為めにさいなまれなければならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...已むを得ず赴くところの殿堂が即ち象徴だ...
有島武郎 「詩への逸脱」
...窘窮の餘已むなく亦暴力を以て之に對抗するに至るの形迹があるのです...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...一も無しと諸君に白状するの已むを得ぬのは...
大隈重信 「平和事業の将来」
...それで已むなくあきらめて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...已むに已まれぬ表現であると共に...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...松田左京進が已むを得ず赤子の腕をねぢて...
大町桂月 「國府臺」
...此詞も万已むを得ざる場合に限つて使はせようと云ふのである...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...この成果の手続き又は過程の叙述を已むを得ず犠牲に供する仕方を云う...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...已むを得ず機関誌生産の為の融通資金より返済した為に...
戸坂潤 「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」
...已むを得ぬことであるから之に服從するは已むを得ぬことであるとは言ふことが出來るけれども...
朝永三十郎 「學究漫録」
...篤麿不敏と雖も已むべきに非るを知ればなりと...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼れ亦自ら自由進歩の分裂終に已む可からざるを説くと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...萬七を向うに廻して手柄を爭ふのもまた已むを得ない破目だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その味は此れを味つたもの以外には何とも語ることができぬのである」という神秘説を告白するの已むを得ざるに至つてをられる...
平林初之輔 「文学の本質について(二)」
...そして已むを得ずそういう舞台をつかう時は...
平林初之輔 「私の要求する探偵小説」
...石を建てるのはいやだが已む無くば沢庵石のやうなごろ/\した白い石を三つか四つかころがして置くばかりにしてもらはう...
正岡子規 「墓」
...已むことなくば坦率(たんそつ)とでも云はうか...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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