...然し私にはもう凡てが已むを得ない...
有島武郎 「詩への逸脱」
...已むを得ず之に乘る...
大町桂月 「町田村の香雪園」
...文太郎は他の用事に携はつて居る時は已むを得ず春三郎自身が磨かなければならなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...此詞も万已むを得ざる場合に限つて使はせようと云ふのである...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...已むを得ず寝間着の袖で霜を拭い落した...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...弁証法的範疇の使用を已むなくする...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...イワン君が万已むを得ざる場合と云つたのは...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...彼等は已むを得ずして當局者以外の勢力家に協議を求むることありといふ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...以て暫らく政変を待つの已むを得ざるに至れり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...已むことを得ず車を下り雨を山王台の茶亭に避く...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...已むを得ず筆を持つて出鱈目に書き付けたのが十首ばかりに成つた...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...已むなく社会の外(そと)に押し流されて行く様子が見えない...
夏目漱石 「それから」
...町内の噂の種子(たね)になつたことは已むを得ない成行でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...けれども其傳播は當時の交通の關係によつて規定せられて居るのは已むを得ざることで即山陰道では...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...自分はもう困憊(こんぱい)して已むのだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...已むことを得ずしてこれに言及したに過ぎない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...屡改めて酷肖(こくせう)に至つて已むが好いと云ふことになつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...國人は已むを得ずして仲の弟を立てたり...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
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