...径庭(けいてい)があつたのは已むを得ない...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...必ず嚥下(えんか)せずには已むまじと思われ...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...これはあるいは已むを得ぬ...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...一も無しと諸君に白状するの已むを得ぬのは...
大隈重信 「平和事業の将来」
...已むを得ず之に乘る...
大町桂月 「町田村の香雪園」
...文太郎は他の用事に携はつて居る時は已むを得ず春三郎自身が磨かなければならなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...欧州戦争の為に、出征、負傷、財産の減少、企業の中絶、凡ての計画が齟齬(そご)してからは、已むを得ず、学生町で、下宿業などを始めるようになったが彼は到底商売人ではなかった...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...けれども僕には文章を作る才能(タレント)だけしかないのだから已むを得ない...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...此詞も万已むを得ざる場合に限つて使はせようと云ふのである...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...例えば理論物理学者の専門家が大衆に不親切に見えるのは或いは已むを得ないだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...翻訳に多少の誤訳のあるのは已むを得ないことだが...
戸坂潤 「読書法」
...已むを得ぬことであるから之に服從するは已むを得ぬことであるとは言ふことが出來るけれども...
朝永三十郎 「學究漫録」
...已むを得ざることなれば必ず willingly に服從せねばならぬといふ理窟はない...
朝永三十郎 「學究漫録」
...本年島崎藤村子亦門弟子の為に遂に意を枉(ま)げて誕生五十年の賀宴を張るの已むを得ざるに至れりという...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...『斬取り強盜は武士の慣ひ』と觀(くわん)じたのも已むを得ないことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...已むを得ず乞胸の配下になつたので...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...已むを得ず帰り来りし由に候...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...阿部侯は蘭軒の請によつて已むことを得ずして裁可した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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