...もう己のあとには己といふものはないのだ...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...邪智(じやち)あるものは悪(あくじ)とはしりながらかく為(なさ)ば人はしるまじと己(おのれ)が邪智(じやち)をたのみ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...己にゃあその隅に...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...城の運命が極まって一族郎党が自害をしたときに己れも死ぬべき命であると覚悟を定め...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...」己は急いで新道へ出掛けた...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...ハムレットの自己に対する批判...
中井正一 「美学入門」
...また己(おの)れが屋敷に帰ったような気取りで...
中里介山 「大菩薩峠」
...鏡は己惚(うぬぼれ)の醸造器であるごとく...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...絶対矛盾的自己同一の世界の自己形成において...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...それを主體の完成されたる純粹なる表現として從つて他者性を自己性に對してはあるとも無きに等しきものと看做す態度を取つたのと異なつて...
波多野精一 「時と永遠」
...己れは人は頼まない眞(ほん)の腕ッこで一度龍華寺とやりたかつたに...
樋口一葉 「たけくらべ」
...内側に“No 6”の貼り紙がしてある円筒を片手に取りあげながら「第六号――是ハ余等ノ学友ガ卒業記念ノタメニ自ラ作成セル歌詞ニ自ラ作曲シタルモノヲぴあのノ伴奏ニ依ツテ合唱セルヲ吹キ込ミタルモノナリ 謝恩唱歌ノ類ヒナリ 意ハ略スガ音律ニ依ツテ聞カバ己ズト通ズルモノアラン 余モ亦唱歌者ノ一員ナリ」と読みあげた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...そして我々が孤獨を超えることができるのはその呼び掛けに應へる自己の表現活動においてのほかない...
三木清 「人生論ノート」
...かようにして自己の前提であるものをみずから意識し反省してゆくことが...
三木清 「哲学入門」
...自己が自己を意識するということも可能になる...
三木清 「哲学入門」
...自己を根本に置て考え...
宮本百合子 「大いなるもの」
...自己に映してくれるものは無くなる気もする...
吉川英治 「剣の四君子」
...――最もよく己れを知ってくれていたその主君も今はなしと思う彼の心事には...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索