...自己の外廓をめぐる塵埃の多い日照道を倦むことなき精力を以つて匍匐して行くのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...もっぱら愛国の美名を借りて単に自己の好むところを遮二無二現ぜしめようとする蒙昧主義がある...
石原純 「社会事情と科学的精神」
...『精神的』の人のみ肉を圧迫して自己の感ずる二元より免かれんと欲求する...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...そこで余儀なく自己の意思を枉(ま)げ...
大隈重信 「選挙人に与う」
...社会と自己のことに就いては...
田山録弥 「初冬の記事」
...お稽古の真似(まね)や」「己(おれ)もだんだん長くなってしまったね...
徳田秋声 「挿話」
...己は用心の為め外套の領(えり)を立てた...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...自己満足を見出していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...広汎な意味での自己表現というところへまで...
豊島与志雄 「長篇小説私見」
...身心一如的自己の自覚の立場から...
西田幾多郎 「デカルト哲学について」
...それを主體の完成されたる純粹なる表現として從つて他者性を自己性に對してはあるとも無きに等しきものと看做す態度を取つたのと異なつて...
波多野精一 「時と永遠」
...あなたは非利己的な真実の献身の精神をもって...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...私の意志は実にしばしば利己的な打算が紡(つむ)ぐ網の中に捲(ま)き込まれてしまうのである...
三木清 「人生論ノート」
...己は土上に坐し終夜眠らず...
南方熊楠 「十二支考」
...そこで己は青年紳士に好意を表した...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...せめて知己のうちだけでも...
吉川英治 「折々の記」
...刻々と変ってくる時勢と自己の周囲に応じてよく処することを知らなかった日頃の科(とが)が...
吉川英治 「三国志」
...自己の上へ具顕(ぐげん)して来たところの差は...
吉川英治 「新書太閤記」
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