...此等は凡て自己にとりて新たなる獲得であつて決して模倣ではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...――己を知っているだれかのことだが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...己(じぶん)は一人野根の方へおりて往った...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...有無を通じてもって人己れに利するなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...それは自己の我執を刺戟したまでのことである...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...己(をれ)は詩によつて名を成さうと思ひながら...
中島敦 「山月記」
...船中で知己(ちかづき)になったとかで...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...「己(おれ)は決して御前の考えているような冷刻な人間じゃない...
夏目漱石 「道草」
...矛盾的自己同一的に自己自身を形成するものである...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...他者は可能者として質料として主體の活動及び自己實現を可能ならしめるが...
波多野精一 「時と永遠」
...自己の担任せる訴訟事件示談金の財源にしようと企てた...
平出修 「瘢痕」
...一は自己の長ずる所をしてますます長ぜしめよ...
正岡子規 「俳諧大要」
...各人をして自己の子供の養育をさせることであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...箇人主義は即ち自己の完成主義であると叫ぶ...
宮本百合子 「大いなるもの」
...)己達ならば蚤なぞがちょぴりと螫せばすぐ潰す...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...自己の表現をおいて...
柳宗悦 「民藝の性質」
...同人が自己の夢中遊行の幾分を記憶に止(とど)めおれる重大なる証左なるが如く思惟さるべし...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...自己の性格をころして...
吉川英治 「黒田如水」
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