...ある時には当局者もまた自己の政略上から...
大隈重信 「選挙人に与う」
...変事をきき伝えて、新旧の知己、弁護士、新聞記者、見知らぬ人々まで親疎それぞれに、成行を憂慮して様子をききに来るので、越中屋の玄関は夜半まで混雑が絶えなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...自己を破滅に導かないではおかぬ飛躍がある...
薄田泣菫 「久米の仙人」
...己に林檎を一つ取ってくれ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...己たちはこの子を黄金みてえに大事(でえじ)にしておくんだからな...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...彼の仲間の留學生たちに對する自己嫌惡にも似た反撥もあり...
太宰治 「「惜別」の意圖」
...「相手はたかが猫だから」と云ふ己惚れに引き擦られて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...本来の自己を見失ってしまい...
徳田秋声 「縮図」
...己(おれ)だってそう莫迦(ばか)な真似はしたくないのさ...
徳田秋声 「爛」
...事物にたいしてもまた自己にたいしても少しも逆らわなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そうして彼らは往年己れ等を賊として攻めた官軍の大将西郷が...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...己(おの)れが膝の上に掻(か)きのせたままで...
中里介山 「大菩薩峠」
...みずから手を下して自己の生命を短(みじこ)うするにあらざる以上...
新渡戸稲造 「自警録」
...「ええか、今にその浪江という奴に出会(でっくわ)したら、この刀で横腹(よこっぱら)抉って父さまの仇ァ討たんければなんねえ、ええか、(中略)こんなに錆びているだが、このほうが一生懸命ならこれだって怨は返せる、己、助太刀するから親の敵を、ええか、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」という風にである...
正岡容 「我が圓朝研究」
...そして落ち著いて己の分を食うことも出来なんだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...己は外の事なんぞを考えてはいないよ...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...愛他精神と利己主義を兼ね備えた即物的センティメンタリストで...
山本周五郎 「季節のない街」
...――彼女(あれ)なくてなんの己れが桜哉...
山本周五郎 「長屋天一坊」
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