...他人に見せても大して差支のなささうな處を原稿紙の上に寫して...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...日本の文明は仏教によって完成したといって差支えないと思います...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...前代未聞(みもん)の事件と云っても差支えない...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...殊に重立候もの當表へ罷越候ては同所御用筋差支可申哉に付...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...差支なかったら話して見給いな...
豊島与志雄 「好意」
...その間に禮に關する議論を差挾んでも差支ない...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...科学は無関心でいてちっとも差支えない...
中谷宇吉郎 「心霊現象と科学」
...そこまでは同じ事と見傚(みな)して差支(さしつかえ)ないのです...
夏目漱石 「創作家の態度」
...彼らは血を分けて始めて成立する通俗な親子関係を軽蔑(けいべつ)しても差支(さしつかえ)ないくらい...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「ドウも争と云う字が御差支(おさしつかえ)ならば...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...私とあそこの人達とはこちらの便宜(べんぎ)で頼んで差支へないやうな...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...また途中のどこから聞き初めても一向差支へありません...
牧野信一 「青白き公園」
...尤(もっと)も主観的の歌の引合に名所を用うるは知らぬ処にても差支なかるべけれど...
正岡子規 「人々に答ふ」
...しかし今赤十字社がないとして忽(たちま)ち差支(さしつかえ)を生ずるといふほどのものでもない...
正岡子規 「病牀六尺」
...茲に作者が描かうとした人間とは即ち朝子の信じる翼だと云つても差支へあるまい...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...初め新田の方に差支があれば何程かの持参金附で養子に行(やっ)てもよいと先方からの申條(もうしじょう)に大変乗気で...
山下利三郎 「誘拐者」
...少しも差支えはないのであった...
山本周五郎 「季節のない街」
...わたくしの名は呉井嬢次と思召(おぼしめ)して差支(さしつかえ)ございませぬ...
夢野久作 「暗黒公使」
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