...差当り僕の見た小杉未醒氏は...
芥川龍之介 「小杉未醒氏」
...何をおいても差当り明日(あす)の暮しをどうにかしようとして――云わばどうにもならない事を...
芥川龍之介 「羅生門」
...さりとて差当りああした中の礼之進のために...
泉鏡花 「婦系図」
...住居の方は差当り心配はないとしても...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...差当り放っては置けなかった...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...差当りこの家(うち)などは宿屋など致さずして...
江見水蔭 「備前天一坊」
...差当り勤労に適しません...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...差当り先生のアパアトへ行くより外ないといふんです...
徳田秋聲 「和解」
...そうかと言って差当り他に捜(さが)すべき職業はなく...
永井荷風 「ひかげの花」
...先づ差当り白米の代価百文に付(つき)五合ならねば窮民口を糊(こ)し難しと記し...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでも差当りの急は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「彼方(あっち)の方は差当り責められる様な事もないんですか」と聞いた...
夏目漱石 「それから」
...差当り、お町さんの命の親というわけだね」「…………」お町はうなずいた様子でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...父親の善兵衛さんは、名の通りの人物で、今なら差当り、クラシカルなモデルにでも役にたとうが、そのころでは高い鼻と豊頬(ほうきょう)とのもちぐされで、水鼻をたらして、水天宮様のお札を製造する内職よりほか仕事がなかった...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
......
二葉亭四迷 「遺言状・遺族善後策」
...そこで差当り困るのは最早食物は少しもないのである...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...知識の倫理の問題はまた認識の主体が単に表象的・思惟的なものでなく全体の人間であると主張する立場とも差当り無関係である...
三木清 「哲学入門」
...今差当り内廷を維持して行くに有利だと思う廉々(かどかど)を話していた...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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