...「けれども巫女(みこ)が申しますには――」櫛名田姫の声はほとんど聞えなかった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...ユタという語はやや日本語のミコまたは女カンナギに当るから巫という漢字を当てはめたらよいかもしれません...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...私は真境名笑古(まざきなしょうこ)氏の注意により『中山王府官制』に巫覡長という官名があってこれがすなわち時之大屋子の漢名であることを学びました...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...巫倡の徒が上古以來特殊な部落を作つてゐたことは史上に明かである...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...唄合戦の揚句に激昂した恋敵(こいがたき)の相手に刺された青年パーロの瀕死の臥床で「生命の息を吹込む」巫女(みこ)の挙動も実に珍しい見物である...
寺田寅彦 「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」
...また巫呪(ふしゅう)占筮(せんぜい)の魔術からもいろいろな自然科学の先祖のようなものが生まれたというのは周知のことである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...之を占はんとする者は其の御籤を引いてそれに出てくる幾つかの小名――それが即ち爻辭に相當するのである――に依つて巫から判斷して貰つたものであらうと思ふ...
内藤湖南 「易疑」
...まず、こう、その駕、待(ま)あて、と」「おうおう、芝居がかりかい」「待てと、お止(とど)めなされしは?」「音羽屋っ」「東西東西、静かにしてくれ、ここが正念場だ」旅人は、七瀬が、綱手が、何う考えているかも察しないで、綱手を、じろじろ見ながら、巫山戯ていた...
直木三十五 「南国太平記」
...只(たゞ)一人(ひとり)の巫女(くちよせ)が彼等(かれら)に特有(とくいう)の態度(たいど)を保(たも)つて正座(しやうざ)を張(は)つて...
長塚節 「土」
...今日(けふ)の巫女(あづさ)も要(い)るまいにい……」婆(ばあ)さんは同(おな)じやうな句(く)を反覆(くりかへ)した...
長塚節 「土」
...巫峽(ふかう)の水(みづ)の木の葉舟かゝる流れに乘りたるお蘭が...
一葉 「暗夜」
...送り込んでから巫山戯(ふざけ)た……道学先生に聞かせたら巫山戯させて置くのが悪いと云うかも知れぬが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...巫女(ふじょ)が猴を馴らして神前に舞わせたから起った名で...
南方熊楠 「十二支考」
...しかしワリスの『巫来(マレー)群島記』(一八八三年板...
南方熊楠 「十二支考」
...巫山戯る騷しい叫び聲などがした...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...必ず女系を主とする巫女(みこ)の家であった...
柳田国男 「年中行事覚書」
...瞽(ごぜ)の巫女は十七日に家々を廻って...
柳田国男 「雪国の春」
...兼卜筮者(うらないしゃ)であった巫女婆(みこばばあ)です...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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