...その巧緻その汚穢(をわい)を掩(おほ)ふに足らず...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...巧緻というような点であります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...私が精巧緻密(ちみつ)な製作をまず充分に試みたと思うたのは...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...機械では巧緻(こうち)な味が出ないとあって...
谷譲次 「踊る地平線」
...矢張細かい巧緻な筆で...
田山録弥 「自他の融合」
...その異常な題材、印象的な人物、劇的な事件、巧緻な手法、等、等によって、この物語はあらゆる読者を深く愉しませるのみならず、また、終りの方に表現されているその主要観念は、愛や人生そのものについて考えさせるものをも含んでいる...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...予期以上に繊細巧緻を極めた構造のものであった...
中谷宇吉郎 「雪」
...これは精密巧緻(こうち)な方法で実現された新地獄に違いなく...
原民喜 「夏の花」
...巧緻で安全なパラシユート即ち飛行用器を何時...
牧野信一 「卓上演説」
...借りてきた衣紋(えもん)竹へ自らその羽織を裏返しにして掛けたら何とその羽織の裏一面が巧緻な春宮秘戯図! ために...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...ひねくれていて巧緻(こうち)なりし市馬...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...すでに死というものを覚悟し切ってしまっている姿と、みすぼらしい長兵衛の様子を見てこの人に何すがれるものかという軽蔑の心持とがまざまざそこから感じとられて、巧緻である...
正岡容 「我が圓朝研究」
...自然の優雅さとゆきとどいた巧緻さというものは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...思うてもひとびとの心を厳粛に表情づける奥の奥なる自然の巧緻があった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...巧緻な文章を編もうと心をくだき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...巧緻な樹木の繁りを見せて矢代は倦きなかった...
横光利一 「旅愁」
...彼はふとパリのノートル・ダムで繊細巧緻な稜線の複合した塔の姿を見たときに...
横光利一 「旅愁」
...そんな巧緻な近代幾何と一致するなんて...
横光利一 「旅愁」
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