...日本の巧緻なる美術工芸品は...
芥川龍之介 「手巾」
...巧緻(こうち)を極めていたのである...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...私が精巧緻密(ちみつ)な製作をまず充分に試みたと思うたのは...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...繊細であり、巧緻であり、奇智が溢れて居る様な処があつても、統一性や普遍性に乏しい...
時枝誠記 「国語学と国語教育」
...浮世絵は遂(つい)に寛政時代の繊巧緻密(ちみつ)の極点に到達せるなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...予期以上に繊細巧緻(こうち)を極めた構造のものであった...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...驚くべき巧緻(こうち)な背景――伴奏部を与えることに成功した...
野村胡堂 「楽聖物語」
...異様に敏活巧緻(びんかつこうち)に働くのだから...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...でもこの巧緻なる日本通の画伯の点燈夫の図に蝙蝠の飛揚丈けは見られなかつたやういま仄かに記憶するが...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...心憎いまで巧緻に採り入れられて弾かれた...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...画面一ぱいに大きな車輪を描いたその手際も広重には珍しく大胆でありその車輪の彼方に展開される品川の海と雨後の虹と砂地に喰べ棄てた西瓜の紅と草鞋の黄と犬ころの白茶いろとの極めて巧緻な色調と構図とは広重画中に於ても屈指の絶品なのではあるまいか...
正岡容 「山の手歳事記」
...しゃがんだようなかっこうをして巧緻に踊った...
正岡容 「寄席」
...巧緻(こうち)な斬新(ざんしん)な陰影を欠いた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...巧緻を極めた繪本を閉ぢた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...思うてもひとびとの心を厳粛に表情づける奥の奥なる自然の巧緻があった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...容貌風采まことに巧緻を極めたもの...
山本笑月 「明治世相百話」
...空を切つて大きく張り渡つた蜘蛛の巣の巧緻な形に驚いたり...
横光利一 「榛名」
...また危さに近づくように山査子のその巧緻な花を...
横光利一 「旅愁」
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