...世にも巧みな蝋(ろう)製の仮面であったのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...美しく巧みなように私の眼に映った...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...あまりにも巧みなロザリオ青年の変装に魅せられて...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そんなに変装が巧みなら...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...その死顔の表情は中々巧みなものであったが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...猶ほ共和演説事件を以て尾崎氏を攻撃したる戦略(タクチツク)に同じ其妙は構陥に巧みなるに在り而も正々堂々たる勝敗は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...ごく巧みなごくよい趣味の管弦楽から来る...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...バティスティーヌ嬢の巧みな家政とのおかげで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...巧みな欺瞞と、へつらいの底を見透して、しかもそれをとがむるよりも晴やかにその上に喜々として腹ばう強い切断性である...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...この巧みな興行物のエロティシズムに酔いしれます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...巧みなるは正味の二倍三倍にも計り出し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ハーモニカの巧みな正吉やマンドリンの嗜みのある細君等も打ち交つて世にも不思議の大合奏が夜毎に樽野の部屋で演奏され続けたのであつた...
牧野信一 「村のストア派」
...巧みな忍び足で窓の蔭から先に中の様子を窺ふのであつた...
牧野信一 「籔のほとり」
...飢えた子供の胃のレントゲン絵にまで照入するこゝに機械の哲学者がある―――たしかに彼は巧みな限りにおいて危う気なく進むだがわたしらをして提議せしめよ―――現実を後にでなく前に置こう!前方をして常にかちうべき真実の生産であらしめよ!...
槇村浩 「大江満雄に」
...私たちの歌には巧みな所があっても不純なものが多いのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...栄二の巧みな言葉の威しとで...
山本周五郎 「さぶ」
...その瞬間ヌッと男の姿が中から出るや否や、巧みな、かつ猛烈な拳骨をもってルパンの面部(めんぶ)を殴り付けた...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...その上巧みな熱のある弁舌によって周囲を統率する...
和辻哲郎 「鎖国」
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