...崩れかけた塀を越した向こうに...
海野十三 「時計屋敷の秘密」
...城壁(じょうへき)の崩れかけた斜面(しゃめん)に足をかけ手をおいて...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...そろそろこの辺から崩れかけたのではあるまいか...
谷譲次 「踊る地平線」
...青苔(あおごけ)が汚なく生(は)えた溝(みぞ)を前にした荒壁の崩れかけた家もあった...
田山花袋 「田舎教師」
...その傍には崩れかけた小さな土蔵がひしゃげて立っていた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...立っている崖が崩れかけたように感じた...
直木三十五 「南国太平記」
...崩れかけた下宿へ走った...
林芙美子 「新版 放浪記」
...崩れかけたコンクリートの掩体壕へ入って...
久生十蘭 「母子像」
...そして前には樹立した水松(いちゐ)と冬青(もち)の藪のある野原のやうな土地が少し許りあるこの崩れかけた屋敷だけだといふ事が分つたのですから...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そして、ちょうど、どんな迷信か問題にもしなかったが、とにかく迷信のために長いこと住み手のなかった、郭外(フォーブール)サン・ジェルマンの辺鄙(へんぴ)な淋しいところにある、崩れかけた、古い、怪しげな邸を借りた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...崩れかけた塀の継目には...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...崩れかけた高い土塀...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...夫ピエールと二人で物理学校の中庭にある崩れかけた倉庫住居の四年間...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...土の崩れかけた築山(つきやま)や...
柳川春葉 「怪物屋敷」
...私の確信が崩れかけたとき...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...二崩れかけた煉瓦(れんが)の街...
横光利一 「上海」
...崩れかけた煉瓦のさかさまに映っている泡の中で...
横光利一 「上海」
...崩れかけた軍のなかから若い主君の家康が危険を物ともせずに突進してくると...
和辻哲郎 「鎖国」
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