...吾人の如く興奮し易く疲勞し易き神經を持つて峻嶮なる自然と人事との中に生息する者にとつて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...九百哩(マイル)の重畳たる密林の幾峻嶮を越えたビイサウの町のみであるこの人跡未踏の地に...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...五社峠の峻嶮(しゅんけん)を越えて六里に余る道程であり...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...その高道にしてかつ峻嶮なる多く世界に見ざるところなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...その峻嶮(しゅんけん)を試みんとする人にとっては...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...少々峻嶮(しゅんけん)過ぎるかと思われます...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...横風ではあるが毫(ごう)も峻嶮(しゅんけん)なところがない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...四十五度以上にも峻嶮に...
葉山嘉樹 「坑夫の子」
...峻嶮なる児童の社会生活である...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...峻嶮極まる峡谷地帯で一日中日照時間が三時間だとか四時間だとか云ふ地帯にも...
葉山嘉樹 「万福追想」
...且いづれも峻嶮であるによつて推せば...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...永劫回帰の思想はツアラトストラが挑戦する最後の恐ろしい峻嶮(しゅんけん)である...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...複雑な褶曲を畳んだ峻嶮たる氷の山嶽の間を...
久生十蘭 「南極記」
...しかし、一度シンプロンを越えてスイスへ這入ると、山岳の峻嶮、空気の清澄、氷河の豪宕、隔段の相違がある...
横光利一 「欧洲紀行」
...進むほど峻嶮となってくる...
吉川英治 「三国志」
...水声近(ちか)く足下にあれども峻嶮(しゆんけん)一歩も進(せせ)むを得ず...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
...峻嶮な山越しにカシュガル...
和辻哲郎 「鎖国」
...近江から越前へ続く峻嶮な山地のなかを追撃して行った...
和辻哲郎 「鎖国」
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