...その木村に……葉子はおぼれた人が岸べを望むように事務長を思い浮かべた...
有島武郎 「或る女」
...岸べりに、はびこつてゐる、葛(くず)の葉を一枚むしりとつて、何げない顔で、狐の前にさし出して、「さてコン助さんとやら、渡し賃に小判一両あげる...
土田耕平 「狐の渡」
...岸べに天幕があって駱駝(らくだ)が二三匹いたり...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...彼らの漁場はただ浜べ岸べに限られていたであろうが...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...冬は河岸べりにうち震え...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...ぞろぞろと岸べへすすんで沼の中へ入って行った...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...堅い岸べもぽこりと削りとられた...
本庄陸男 「石狩川」
...こちらの岸べは、水に濡れた砂がかたまって足の運びも早かった...
本庄陸男 「石狩川」
...風の吹きあれたあとでは、岸べには、去年の枯れ草が剥(む)き出しになった...
本庄陸男 「石狩川」
...生田川の岸べに朝はやくに着いた...
室生犀星 「姫たちばな」
...ヴォンブ湖(こ)の岸べに生(は)えているハシバミのやぶの中で...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...とある湖の岸べでは...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...ヴェッテルン湖(こ)の岸べにある...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...見れば、岸べには、いい舟がいくそうもあります...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...岸べをさがしまわっていました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...私はダニューブ河の岸べで...
横光利一 「欧洲紀行」
...久慈は沼の岸べを見る思いで菖蒲の上の水色の空を眺めていると...
横光利一 「旅愁」
...いつのまにか薄穢ない老人と子供とが岸べに群がり立った...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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