...水を掠(かす)めて去来する岩燕(いわつばめ)を眺めていると...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...雲片一つだに見えぬ大空、風、岩燕の声、血を新たにするような松脂の香、黄金の花粉、もつれ合って咲いている石楠花(しゃくなげ)の白くつめたい花弁、すぐ向うの黒い岩塊、風に乗って来る渓谷の水音、どこかで岩の崩れ落ちる音、下で湯をわかしているらしい焚火の煙、……これ等のすべてがいつの間にか見えなくなり聞えなくなり、私は帽子を顔にのせたまま、世にも美しいユートピアの眠りに落ちるのである...
石川欣一 「可愛い山」
...岩燕の声でもなし...
石川欣一 「山を思う」
...そこに胡麻をまいたように群がった岩燕の群の中に消える...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...岩燕軒端に土巣を構ふること數十百の多きに及ぶ...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...瀑の左に直立せる絶壁の面に穴多く、岩燕出入して、虹の中に舞えり...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...岩燕の一と群れがぱっと...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...鶯、めぼそ、萱くぐり、岩燕、岩ひばり……皆な生れついての音楽の妙手で、話好きで、そして何より山好きな、懐かしい親友ぞろいだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...岩燕がヒラリヒラリと飛交(とびか)うのさえ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...巣から落ちた岩燕の雛を巣へかえしてやるために截り立った崖を登ってゆく途中...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...何れも大岩崖にして壁立處々に有(此岩燕の内石燕多しと...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...あすこにはやぶうぐいすや岩燕(いわつばめ)やいろいろ居るんだ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...甲州あたりへ来る岩燕でもないと...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...三たとえば一羽の岩燕が...
吉川英治 「剣難女難」
...岩燕(いわつばめ)のごとく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...岩燕(いわつばめ)...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...そんな風にして、明けがたから日暮れ時まで、まるで悪態をつくように、かわら鶸、山雀、岩燕、雀などが、その老いぼれの胡桃の樹を目がけて、若樹のなかから飛び出して行く...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...岩燕(いわつばめ)その日の夕方は...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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