...――が、若しも世に無政府主義といふ名を聞いただけで眉を顰(ひそ)める樣な人が有つて、其人が他日彼の無政府主義者等の所説を調べて見るとするならば、屹度、入口を間違へて別の家に入つて來た樣な驚きを經驗するだらうと私は思ふ...
石川啄木 「所謂今度の事」
...今日は屹度お客様よ...
石川啄木 「鳥影」
...屹度今夜のことを手紙に書いて寄越すだらうとも思つた...
石川啄木 「鳥影」
...屹度さうだわ...
石川啄木 「道」
...子供が屹度笑顔をかへして呉れるだらうと思つてゐたのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...屹度荷馬車ががたぴしと地響きをさせて通るものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...』『いや屹度(きつと)平癒(なほる)ですよ...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...だつて、ひとつで二つ光つてゐるのが中に交つてゐるんですもの……」「矢張、恋の闇と言つたやうなわけなんだね?」「さうね、屹度……...
田山録弥 「山間の旅舎」
...屹度役に立つだろうと...
豊島与志雄 「擬体」
...私にはまだこの屹度という強い意志があるんだ...
豊島与志雄 「蠱惑」
...「心臓の鼓動が多いようだから屹度女のお児さんでございますよ...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...私少し酔ってたのよ、屹度...
豊島与志雄 「反抗」
...其時でも屹度衣物で胸を掩ふのである...
長塚節 「隣室の客」
...屹度(きつと)左樣(さう)よ」「もし手紙(てがみ)を出(だ)したのなら...
夏目漱石 「門」
...其人の妻子は屹度(きっと)饑(うえ)に泣いてるように思われて...
二葉亭四迷 「平凡」
...翌朝は屹度戸口の處で死んでゐたでせうねえ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...お天氣が好いと屹度起しに來るのよ...
牧野信一 「痴日」
...屹度(きっと)あいつが盗(と)るんだよ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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