...私のそれよりも屹度多いだらうと思つた...
石川啄木 「歌のいろ/\」
...屹度私を目懸けて追つて來る...
石川啄木 「二筋の血」
...屹度社中の噂が出る...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...屹度(きっと)々々それを読んだ人たちはあの物ぐるほしい程に充実しきつた真実...
伊藤野枝 「最近の感想」
...」「そうよ、屹度...
豊島与志雄 「丘の上」
...屹度役に立つだろうと...
豊島与志雄 「擬体」
...學校の歸りには屹度荷物を脊負つた儘登つては枝と枝とを渡つて歩いた...
長塚節 「開業醫」
...彼は何時も餘り打ち解けることはなかつたのであるが拒絶したといふ時には屹度手柄さうに僕へ語るのであつた...
長塚節 「開業醫」
...荷物(にもつ)を路傍(みちばた)へ卸(おろ)す時(とき)彼(かれ)は屹度(きつと)縛(しば)りつけた手拭(てぬぐひ)の包(つゝみ)へ手(て)を掛(か)けて新聞紙(しんぶんし)の袋(ふくろ)のがさ/\と鳴(な)るのを聞(き)いて安心(あんしん)した...
長塚節 「土」
...トーキーのフィルムは立派に歌や言葉の器械的な記録を果しているではないか」「――――」「メカニズムが音楽界を支配する時代は屹度(きっと)来る...
野村胡堂 「音波の殺人」
...」お終ひには光子さんと屹度こんな争ひをいたします...
牧野信一 「青白き公園」
...……屹度、その刹那に彼は、明るければ明るい程不気味な夢の中で若少し続けづには居られない何かしら弁解風な言葉を誰かに向つて放つてゐる途中が多かつた――決して、その儘では手のとゞかない隅棚の上で労働向きの真新しい目醒時計が、人を突き飛ばすかのやうに鳴り出した...
牧野信一 「F村での春」
...その上此方が平然として光子を伴れて行つたならば延子は屹度不満を覚ゆるに違ひない...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...どうかして思ひ出すと屹度悲しくなつた...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...電燈が點いて間もない頃だつたが祖父は電氣を怕がつて、行燈の傍らで獨酌しながら私達の合奏を聽き、醉が回つて來る時分になると、屹度、ほツほツほツとわらふやうな聲で泣いた...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...――屹度健康な生活を取り戻して帰つて来る...
牧野信一 「籔のほとり」
...愛(あい)ちやんは立所(たちどころ)に屹度(きつと)兎(うさぎ)が扇子(せんす)と白(しろ)い山羊仔皮(キツド)の手套(てぶくろ)とを探(さが)して居(ゐ)るに違(ちが)ひないと思(おも)つて...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...違背ある者は屹度(きっと)申付くべき事...
山本周五郎 「城を守る者」
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