...山梔子(くちなし)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それから井戸(ゐど)を圍(かこ)んだ井桁(ゐげた)に(のぞ)んで陰氣(いんき)に茂(しげ)つた山梔子(くちなし)の花(はな)を際立(はきだ)つて白(しろ)くした...
長塚節 「土」
...山梔子(くちなし)孃の手紙に貴方が身體の弱いのに無理ばかりしてゐるといつて氣づかつて來ましたが...
堀辰雄 「七つの手紙」
...一週間ばかり前に山梔子(くちなし)孃からいただいた手紙で知つては居ました...
堀辰雄 「七つの手紙」
...一人が山梔子色(くちなしいろ)の狩衣をつけていれば...
室生犀星 「姫たちばな」
...上原の妻は偶山梔子(くちなし)の飯を炊(かし)いでゐたので...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...あなたはあの山梔子(くちなし)という花を御存じですか」と不意に王子は尋ねました...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...「その山梔子の樹は名前を『口なし』と書くので...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...ところがお城を離れれば離れるほど山梔子の花が少なくなって...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...――山梔子(くちなし)の実を噛ませると吐く...
吉川英治 「河豚」
...そしてその下草にところ/″\山梔子(くちなし)が咲いてゐた...
若山牧水 「梅雨紀行」
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