...その屈託のない行書の文字の跡を昧爽の夏の空気の中にぼんやりと見た印象は...
安倍能成 「初旅の残像」
...検事の屈託のない人柄を...
海野十三 「地獄の使者」
...屈託のない調子であった...
江戸川乱歩 「影男」
...それは屈託のない澄んだ声であつた...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...この男のような屈託のない顔は一生勉強してもとてもできそうもない...
寺田寅彦 「破片」
...屈託のない微笑に和らげて...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...屈託のない話をするのがすきだった...
野村胡堂 「胡堂百話」
...腹をたてれば怒るといった屈託のない性質だった...
久生十蘭 「無月物語」
...薔薇いろの唇には屈託のない微笑が浮かび...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...作そのものに対しては珍らしく屈託のない明るさで...
牧野信一 「昭和五年に発表せる創作・評論に就て」
...屈託のない女給たちの笑声に...
松本泰 「宝石の序曲」
...陽当りのいい居間の縁ばなにしゃがんで籠のカナリヤを人差指で嚇かすようなことをしている父の屈託のない姿がみうけられたりすると...
矢田津世子 「父」
...屈託のない表情で女は周囲に目を向けなかった...
山川方夫 「その一年」
...元来屈託のない平馬は...
夢野久作 「斬られたさに」
...絶えず露出している尾っ端には気附かぬ屈託のない...
横光利一 「旅愁」
...屈託のない暫くだった...
横光利一 「旅愁」
...自分はこのような屈託のないことも...
横光利一 「旅愁」
...ひどく屈託のない若々しさを顔にたたえて...
吉川英治 「新書太閤記」
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