...その尼(あま)がまた...
芥川龍之介 「運」
...御影(みかげ)にいつく比丘尼(びくに)の操にたらへる心ばへに...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...二十九日、庚午、晴、申剋、尼御台所御還向、去る十四日、従三位に叙せしむる可きの由宣下、上卿三条中納言即ち清範朝臣を以て、件の位記を三品の御亭に下さる、同十五日、仙洞より御対面有る可きの由仰下さると雖も、辺鄙の老尼竜顔に咫尺すること其益無し、然る可からざるの旨之を申され、諸寺礼仏の志を抛ち、即時下向し給ふと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...ひとつその物語のある尼寺というやつを見てやりたい――こんな気勢が...
中里介山 「大菩薩峠」
...比丘尼(びくに)長屋には法体(ほうたい)の売女(ばいた)も居る世の中だから目黒の尼寺は大した人気だったと言っても嘘じゃ無さそうだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ふと尼の姿は見えなくなりました...
野村胡堂 「百唇の譜」
...雑仕(ぞうし)の比丘(びく)尼たちの乏しい食餌(しょくじ)に悩み...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...天人中最も勝(すぐ)れ、苦行与等なし、牟尼両足尊、遣わし来って我所に至る...
南方熊楠 「十二支考」
...だいぶ重い病気をし尼になった大弐(だいに)の乳母(めのと)を訪(たず)ねようとして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「ここへまいっては昔の思い出に心は苦しみますし、また新しく私をあわれんでくだすってよい方はその心になってくださらないし『世のうき目見えぬ山路』とも思われません」と恨めしそうに言い、帰ろうとした時に、尼君が、「あたら夜を(あたら夜の月と花とを同じくは心知れらん人に見せばや)お帰りになるのですか」と言って、御簾(みす)の所へ出て来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...と言う消息が尼君へあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...仏様にもお祈りをしたことだったのですよ」と泣きまろんで悲しみに堪えぬふうの尼君を見ても...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...だから今の世には、鎌倉のばさら執権の下に、ばさら御家人、ばさら市人(いちびと)、ばさら大尽、ばさら尼、さては、ばさら商売の田楽役者までが無数にいるのはふしぎでなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...みな掌(たなごころ)のままなりき……母の草心尼は...
吉川英治 「私本太平記」
...草心尼の姉)さまへですか」「いいえ」「では……...
吉川英治 「私本太平記」
...が、松琴尼も、大炊の生前、手紙をよこして、「この子については、わたくしにも末始終の保証はできない...
吉川英治 「新書太閤記」
...妙秀尼は、衣裳箪笥のそばへ寄って、「帯はこれでよいか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...比丘尼に「少々の不可」があっても...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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