...』『なるほど尤もな事です...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...尤もそれは皆伯父さん達の足跡(といっても大部分は牧田の下駄の跡)の下にかくれていて...
江戸川乱歩 「黒手組」
...尤もわれ/\を放っておいたら...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...尤も、神学とは歴史的に与えられた特殊の体験――信仰という――を解明又は基礎づけ又は擁護する学問なのだから、単なる形而上学とは根本的に別である、と云うかも知れないが、併し形而上学こそ、歴史的に与えられた特殊の体験の、解明・基礎づけ・擁護・ではないか...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...尤も社会科学に於ても...
戸坂潤 「技術の哲学」
...尤も之まで日本の民衆は政治上の文化的スローガンを有った例しがなかったとさえ云えるだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...だが、私の怒ったのも、又尤もであった...
直木三十五 「死までを語る」
...尤もお屋敷方の女中が一人...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤もらしい調子で口上を言つてゐたこと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...田地を取られた上、娘を賣つて、伜は家出したんだから、――尤も、松藏はその晩、練馬の弟のところへ法事に招ばれて泊る心算で出かけたが、氣分が惡くなつて途中から歸つたさうだ」「時刻は?」「出かけたのは薄暗くなつてから、尤(もつと)も――法事に行くなら、齋飯(とき)は向うで出るんだらう――と寅五郎に當てこすられて、空き腹を抱へて出かけたせゐか、途中で氣分が惡くなつて、半里ばかり行つて引返したといふから、半刻も家をあけなかつた筈だ」「成程ね」ガラツ八は高慢らしく腕を組みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――尤も加納屋の遠縁の娘で下女代りに働かされて居るのと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「尤も自害などをしさうもない主人でございました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大黒屋徳右衞門グウ――と來た」「危ないな」「尤も千兩箱の下敷で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も若い時分はかなりのお道樂で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...新しい釘を打ち込んだのもあり、大き過ぎる穴は杉箸(すぎばし)で埋めて、兩方を切り取つたうへ、一寸見ただけではわからないやうに墨と埃(ほこり)で汚してある、――尤も、素人の細工だから大したことはない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も、土地がなくては農奴を買うことも、抵当に入れることも出来ない訳だ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...この下男の方は酔っぱらっていましてね、尤も、いつだって素面(しらふ)でいたことはありませんが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...云われることを成程尤もだと思うのではなくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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