...尤もこれは珍しきことにても無之...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...尤も本来の喜劇的精神は人を欺くことがあるかも知れない...
芥川龍之介 「格さんと食慾」
...尤も此邊では、戸籍上の名と家で呼ぶ名と違ふのがありますよ...
石川啄木 「足跡」
...尤も小督(こがう)の曲の前に葵の前といふのが一つおして……」富尾木氏はそれを聞くと...
薄田泣菫 「茶話」
...委しくは氏郷記近江日野町誌を可レ見○三味線は永禄年中琉球より渡来したること通説なれどもこれを小唄に合わせて弾きたるは寛永頃より始まる由高野辰之博士の日本歌謡史に記載あり尤も天文年中既に遊女の手に弄ばれたること室町殿日記に見え好事家は早くより流行歌に用いたる趣同じく右歌謡史に委し...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...尤もリッケルトの個別は単に別個のものを意味するのではなくして実は個性あるものを意味するのであったのに...
戸坂潤 「科学方法論」
...尤も、新奇とは通常でないことであるから、ニュースが日常性――通常性――に対応することは不当ではないかと云われるかも知れない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...尤も、時間と云っても空間と云っても、言葉は一つでも様々な概念の異った諸段階を実際には示している...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...――尤も博士によると...
戸坂潤 「読書法」
...高橋教授は西田博士や田辺博士やに較べれば印刷にした原稿の紙数は比較にならない程少ない(尤も他の哲学の教授に較べたら必ずしも少なくはない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...尤も私どもは、このお妾を始め凡ての女中の顔を見た事もない...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...――尤も手前は腹を立てると好い男になるぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「八王子の百人同心に、細(こまか)いが口數の多い貸しがあるさうで、俵屋は先代から三月に一度ぐらゐは八王子へ金を集めにやるさうで、金之助も孫三郎も、よく顏を知つてゐました」「それから?」「さア、そんなことでお了(しま)ひですね、――尤も、殺された孫三郎は飛んだ道樂者で、叶屋へ泊ると四宿(しじゆく)の遊びは堪(こた)へられねえ――と言つて、毎晩拔け出しては、新宿へ遊びに行つたんださうで、下谷まで伸せば伸せるほど陽があるにも構はず、淀橋で一と晩過したんださうですよ、尤も金之助は二十歳(はたち)そこ/\の若さだから、まさか、そんなことはしなかつた樣子で」「金之助のことも訊いたことだらうな」「叶屋の番頭が呑込んだ顏をしてゐるから、改めて訊きませんでしたよ」「そいつは惜しかつたな、まア宜い、ところで、浪人者の江柄(えがら)三七郎の方は?」平次は湯島の吉の子分に訊きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も俺達も亂暴にや違ひないが...
長谷川時雨 「佃のわたし」
...いくらか手心がわかろうではあるまいか」と尤もらしい説を立てたが...
久生十蘭 「玉取物語」
...ひどく尤もらしい文句がないかな? 何か? 何か? ――)――「それほど仕様のないことなんて考へて見れば...
牧野信一 「鏡地獄」
...又は御尤も至極なのや...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...これは尤もじゃわい」「なあ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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