...尠(すくな)からず悩まされて...
泉鏡花 「婦系図」
...しかし経済上収支相償うこと尠(すくな)きがゆえに...
内村鑑三 「デンマルク国の話」
...さうしたものが尠い...
田山録弥 「解脱非解脱」
...いろんな點で作者に豫備知識が至つて尠いといふことであつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...殊にわが日本の社会なぞに対してはこの上もない教訓として聴かれべきものが尠(すくな)くない...
永井荷風 「妾宅」
...我らがこの度(たび)の事目出度しとて物祝ひ賜はる向(むき)も尠(すくな)からざりしかば...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...欧洲にてはモーニングコートに高帽子を冠るもの尠(すくな)からず...
永井荷風 「洋服論」
...近代(いま)といふ今は尠くも...
中原中也 「酒場にて(定稿)」
...然しルモオルの天才は彼に負ふところ尠くなかつた...
中原中也 「デボルド―※[#濁点付き片仮名ワ、1-7-82]ルモオル」
...そしたら、子供たちも、もつと仲間同志と云ふ親しみを私に對して持つたらうし、召使ひたちも、私を子供部屋の贖罪羊(しよくざいひつじ)にすることが、尠かつたらう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...木石を笞(むちう)って僅に余憤を洩す類のことは尠(すく)なくない...
穂積陳重 「法窓夜話」
...心に躍り込んで来る美が尠い...
宮本百合子 「高台寺」
...そのほか劇壇や芸界で翁の息のかかった連中は尠なくない...
山本笑月 「明治世相百話」
...それでも震災前よりは制服制帽の数が尠(すくな)い...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...近き親戚の尠(すくな)き旨を洩らせるが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...立木(たちき)の花は甚だ尠(すくな)い...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...まあ尠(すく)ない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...僕のデタラメを雪ちゃんが正直に表につけていたに過ぎない……僕は自分の残り尠(すくな)い命数を知るにつけても何か焦慮を覚えるのだ...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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