...これまた政府に近(ちか)づきて利したること尠(すく)なからず...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...尠くなくとも魂の公園としてこの位のものは一箇處保存して置きたいと思ふ...
江南文三 「相川おけさ」
...内心の尠(すくな)からざる不安は...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...次第次第に未決の書類は残り尠(すく)なになって...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...年々尠(すくな)くなりつつある Good Girls という型(タイプ)が...
谷譲次 「踊る地平線」
...姪にはそれは何うであつたか知らないけれども、尠くとも、私に取つては、人並外れて早く性に目ざめた私に取つては、また人並外づれてロマンチツクな小説や、物語に読み耽つた私に取つては、そのシインは一種おもしろいシインとして眺めずには居られなかつた...
田山録弥 「ある日」
...勇吉はその名の為めに尠くとも三日...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...その恋せる女を競争者の手から父親の手に移したことは尠(すくな)くとも愉快であった...
田山花袋 「蒲団」
...どう云ふ譯か書籍が無くなつたものが隨分尠からぬものである...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...奥村政信(おくむらまさのぶ)及びその門人のこれを描けるもの尠(すくな)からず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...近代(いま)といふ今は尠(すくな)くも...
中原中也 「酒場にて」
...然しルモオルの天才は彼に負ふところ尠くなかつた...
中原中也 「デボルド―※[#濁点付き片仮名ワ、1-7-82]ルモオル」
...この爺さんの世界観が杓子から出来上ってるのに尠(すく)なからず感心したのであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...生きんがため如何に足掻いたかを語っているのも尠くなかったが...
牧逸馬 「運命のSOS」
...船の大きな割りにボウト積載数の尠いことなど誰も気に留めなかった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...人通りは尠くなった...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...眞に味得するの知己はまだ尠いかも知れぬが...
吉川英治 「折々の記」
...その心境には尠なからぬ変化が起っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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