...今の世にも亦自覺せりと稱する者が尠くない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...割に尠(すくな)い...
海野十三 「空襲葬送曲」
...いずれも相当に発展して尠(すく)なからず社会に貢献している...
大隈重信 「東洋学人を懐う」
...尠(すくな)くとも諷詠しようとする人の心にはゆとりが出来る...
高浜虚子 「俳句への道」
...かれ等は尠くとも二三十分はそこにさうして立つてゐた...
田山録弥 「石窟」
...通詞の食祿は尠い方ではなかつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...今これを通読するに画家の伝記は従来の『浮世絵類考』に拠(よ)りたるがためその誤謬(ごびゅう)をも合せ伝へたる点尠(すくな)からず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...尠くとも一般からは却て短歌より発展して出来たものとされてゐる新短歌が却てその精神(エスプリ)に於て俳句に近いといふことを注意してみたかつたまでである...
中原中也 「新短歌に就いて」
...またその法螺に乗る以上は理知の人間として自分の人格に尠(すくな)からぬ汚点を貽(のこ)す恐れがあっても...
夏目漱石 「坑夫」
...何時でも松の樹がありやがる!」私は石と生け垣の為めに今度の恋愛を尠(すくな)からず破壊された...
松永延造 「職工と微笑」
...人通りは尠くなった...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...それだけ互を人間として尊重し評価し愛して同体となっているのは尠いけれども...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その探索から戻つて来ない人も尠なくなかつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...眞に味得するの知己はまだ尠いかも知れぬが...
吉川英治 「折々の記」
...予告もなく何で遽(にわ)かに信長が見えたのか――水野帯刀は尠なからず狼狽した...
吉川英治 「新書太閤記」
...小勢の織田方にとっては尠なからぬ気勢を添え...
吉川英治 「新書太閤記」
...尠(すく)なくもそれは...
吉川英治 「無宿人国記」
...読むものゝ中(うち)には解(げ)し悪(にく)い処(ところ)は固(もと)より尠(すくな)からず有升(ありまし)たから本を膝(ひざ)の上へ置(おい)て母に質問することが度々有つて...
若松賤子 「黄金機会」
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