...雪は少しもないけれども...
有島武郎 「或る女」
...しかし少しも驚かぬ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...すでに時計をみれば二時を廻っていて、すくない宿屋の朝飯を食べたきりで、三里ほどの山路を歩き、胃の腑は嘔吐を感じるほどの空腹だったし、足の裏と膝頭がほてって来て、少し休むと、動かすのも痛いほどなので、一郎の疲労のほども思いやられたが、心の弱いバカな親父は是が非でも歩き通させてやるのだと、一種の快感さえ感じていた...
田中英光 「箱根の山」
...兄さんの顔を蹈(ふ)みつけにして本家の方へは少しも帰って来てくれず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...こう云う風であるから真面目に熱心に斯道(しどう)の研究をしようと云う考えはなく少しく名が出れば肖像でも画いて黄白(こうはく)を貪(むさぼ)ろうと云うさもしい奴ばかりで...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...少し経てば、私はこの事件によって受けた衝動(ショック)に打ち克(か)つことが出来よう...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...結核体質らしいところが少しもないばかりか...
徳田秋声 「縮図」
...両者の存在上の関係は少しも記述・説明・され得ない(と云うのは存在上の関係の記述は即ち説明というものに他ならぬ)...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...少しも例外ではないわけだ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...其処は田圃より少し小高い道になっていたが...
豊島与志雄 「道連」
...少し開いた口から...
直木三十五 「南国太平記」
...どこかもう少し安全な方面へ当りをつけたって...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し面喰(めんくら)ったが...
夏目漱石 「坑夫」
...借金を返すといくらも残らない――死骸の財布に二分(ぶ)しきゃなかった――でもう少し金を欲しいと思う矢先...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼は少し愉しいのだから変だ...
原民喜 「難船」
...少しも憚るどころでない...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
...少ししたらそれをやろう...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...中務卿少しは筋道が違っていても好(い)いから...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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