...大勢の人々の胃の腑を滿たすには少々の食物では濟まないのである...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...しかし、トランクの持主が、たとえ危急の際であったとはいえ、あの大金を惜(おし)げもなく捨てて行ったというのは、少々変です...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...少々御恨みに存じ候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...少々内福な汐田の家では二人の結婚は不承知であって...
太宰治 「列車」
...少々貫目が多くても通してくれた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...かつていった如く下手ながら撃剣は少々稽古していたなれども...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...積極的に他の理想を打ち崩(くず)している場合とは少々違うのであります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...少々気味がわるかった...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...ただ与次郎なるものが少々やりすぎる...
夏目漱石 「明治座の所感を虚子君に問れて」
...平家打倒の鹿(しし)ヶ谷(たに)の密議を真似て、学校当局糾弾の第一声を、月下の船中にあげたのだ……と、ものの本に書いてあるが、これは、少々、潤色がすぎるようである...
野村胡堂 「胡堂百話」
...勘定が少々足りなくなつたので...
林芙美子 「浮雲」
...然るうちに少々なりともやかましき財産などの有れば...
樋口一葉 「ゆく雲」
...これがお砂糖」「牛酪(バタ)を少々」「はい...
久生十蘭 「キャラコさん」
...数百千年養い得たる我日本武士の気風(きふう)を傷(そこな)うたるの不利は決して少々ならず...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...蛇の変化これに関する話は数え切れぬほど多いからほんの言い訳までに少々例を挙ぐる...
南方熊楠 「十二支考」
...少々ご辛抱あるがよい」「ほう...
吉川英治 「私本太平記」
...少々の間、ご猶予を」「いや藤夜叉どののことなら、お案じあるな...
吉川英治 「私本太平記」
...もう少々先まで」「懸念(けねん)には及ばんよ」「危ぶむわけではございませんが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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