...雪の小面という可憐(かれん)な能面の写真と二枚ならべて壁に張りつけて下さったところまでは上出来でございましたが...
太宰治 「雪の夜の話」
...あまりのことに小面憎(こづらにく)い心地さえした...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...房一にしてみればわざわざ小面倒なところへ乗りこんで行つたやうなものである...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...小面倒な着物なンか脱いでしもうて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...小面(こづら)の憎いイヤな奴と思いながらも...
中里介山 「大菩薩峠」
...退引(のっぴき)のならなくなったのが小面倒の起りです...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は小面(こづら)にくしと感じたが...
蜷川新 「天皇」
...小面(こづら)憎いと思ひながらも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そんな小面倒な事は...
野村胡堂 「死の舞踏」
...少し容貌(きりやう)の自慢かと思へば小面が憎くいと蔭口いふ朋輩もありけれど...
樋口一葉 「にごりえ」
...扨(さて)自分には小面倒(こめんどう)臭い...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...敵方の柳派の柳枝さんのところへ駈け込んでしまったというから小面憎い奴とおもい...
正岡容 「小説 圓朝」
...四十露里あっちから赤軍分遣隊がやって来て呉れた」「えれエ小面倒な名前だよウ」そう云ったのは五十九のティトフだ...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...そこが小面にくいということになってあらわされたりもするのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...孤立して存する小面積の田と解してよかろう...
柳田國男 「地名の研究」
...小面倒だが、毛家の女婿(むこ)のあの与力が、まだかまだかとまたうるさく言って来やがるにちげえねえ」包吉(ほうきち)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...小面(こづら)の憎い童(わっぱ)めと...
吉川英治 「源頼朝」
...仲間どもの小面(こづら)が癪(しゃく)にさわって...
吉川英治 「宮本武蔵」
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