...小面(こづら)の憎い女ぢやないか? 今にどうするか覚えてゐろよ...
芥川龍之介 「好色」
...のみならずしをりの細かいことも小面(こづら)の憎い位である...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...小面憎かったものであろう...
泉鏡花 「婦系図」
...小面憎(こづらにく)く思った輩(やから)はいかにも面白い話ができたように話している...
伊藤左千夫 「春の潮」
...案外平気でゐるのを小面憎くゝ思つて脅すのかとも思へるし...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...ただ文書を以て交際するだけなら折々小面倒で嫌気(いやき)を生ずる事があってもそれほど深く身に染(し)みないが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...なんのわけもないことだぜ」岩瀬氏は女の小面憎さに...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...「小面」のやうな美女の面でさへその鼻翼は実際よりも大である...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...といった小面憎(こづらにく)さで...
田中英光 「オリンポスの果実」
...小面(こづら)憎くさえ思えるのであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...殿様や家来方の御機嫌よりも朋輩同士の仲が小面倒(こめんどう)なのよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し容貌(きりやう)の自慢かと思へば小面が憎くいと蔭口いふ朋輩もありけれど...
樋口一葉 「にごりえ」
...扨(さて)自分には小面倒(こめんどう)臭い...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...恐ろしく小面倒な動力の計算書なんかを一週間がかりで書き上げて甲板(デッキ)に持って行くと...
夢野久作 「難船小僧」
...小面(こづら)の憎い青二才め」と...
吉川英治 「三国志」
...かつは宮の御家来ならどんな非理でも通ると心得おるその思い上がりが小面憎い」「まあ直義...
吉川英治 「私本太平記」
...途端に浴びせかけるのだ」小面(こづら)の憎い味方だが...
吉川英治 「新書太閤記」
...小面(こづら)の憎い童(わっぱ)めと...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索