...何だ? 寢ろ? カラ小癪な!默れ...
石川啄木 「赤痢」
...この利口ではあるが小癪な娘を...
岩野泡鳴 「耽溺」
...小癪な娘だけにだんだん焼けッ腹になって来るのは当り前だろう...
岩野泡鳴 「耽溺」
...細つこい瘠せ身代でゐながら些と海軍力のあるのを鼻に掛けて東洋の猟場にチヨツ掻(かい)を出し中原(ちうげん)の大豚(おほぶた)の分配(わけまへ)を取らうと小癪な所為(まね)をする所は...
内田魯庵 「犬物語」
...「小癪なっ」輦台の上から...
直木三十五 「南国太平記」
...「坊主、お喋り坊主、中で押えてるな、小癪な奴だ、しっかりと押えてあかないようにしているな、よし覚えていろ、今、あくようにしてあけて見せるからな」神尾主膳はこう言って、暫く暴力を中止しましたから、中でお銀様は、それ見ろと言わぬばかりの心持です...
中里介山 「大菩薩峠」
...小癪なッ」空地へ悠々(ゆうゆう)と出て行った治部太夫は...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...危え瀬戸際だったよ、だが、小癪な小僧だよ...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...十五六の小癪なるが酸漿(ほゝづき)ふくんで此姿(なり)はと目をふさぐ人もあるべし...
樋口一葉 「たけくらべ」
...……小癪な真似をして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……皺腹代は、まず二十両というところかな」庄兵衛は、日ごろの強情にも似ず急に脅えたような顔つきになったが、それでも、口先だけは威勢よく、「なにを、小癪な...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...我ながら小癪な小僧と思ふのである...
牧野信一 「熱海線私語」
...「ヤアヤア」と閃いた白刃を「何を小癪なツ...
牧野信一 「蚊」
...斬るぞ!」「なにを小癪なツ!」「やあ/\! やあ/\!」芒の穂は波のやうになびいてゐます...
槇本楠郎 「文化村を襲つた子供」
...たまらなく美感と滋味のこもった言葉が小癪なほど豊富に飛び出し...
山中貞雄 「気まま者の日記」
...貴様の中に牛乳が何合入ってりゃあそんなに威張るんだ」「何を小癪な」「何を生意気な」とうとう取っ組み合って...
夢野久作 「キャラメルと飴玉」
...あっと驚いて一同は飛び離れたが、「小癪な女め、蟷螂(とうろう)の斧(おの)だ」と一人が懐剣の下を潜(くぐ)ってその手を捻じ上げた...
吉川英治 「剣難女難」
...「小癪なやつ...
吉川英治 「三国志」
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