...この利口ではあるが小癪な娘を...
岩野泡鳴 「耽溺」
...細つこい瘠せ身代でゐながら些と海軍力のあるのを鼻に掛けて東洋の猟場にチヨツ掻(かい)を出し中原(ちうげん)の大豚(おほぶた)の分配(わけまへ)を取らうと小癪な所為(まね)をする所は...
内田魯庵 「犬物語」
...かついえ公は「小癪な猿めが」と仰っしゃるかとおもえば...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...「小癪な彼イギリス人に少し思い知らしてやろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「小癪なっ」輦台の上から...
直木三十五 「南国太平記」
...小癪な」力を極めて前へ突き倒しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「坊主、お喋り坊主、中で押えてるな、小癪な奴だ、しっかりと押えてあかないようにしているな、よし覚えていろ、今、あくようにしてあけて見せるからな」神尾主膳はこう言って、暫く暴力を中止しましたから、中でお銀様は、それ見ろと言わぬばかりの心持です...
中里介山 「大菩薩峠」
...小癪な犬だと思わないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...危え瀬戸際だったよ、だが、小癪な小僧だよ...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...……小癪な真似をして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...我ながら小癪な小僧と思ふのである...
牧野信一 「熱海線私語」
...「ヤアヤア」と閃いた白刃を「何を小癪なツ...
牧野信一 「蚊」
...「小癪なツ!」貴族軍は矢庭に向きを変へて...
牧野信一 「船の中の鼠」
...斬るぞ!」「なにを小癪なツ!」「やあ/\! やあ/\!」芒の穂は波のやうになびいてゐます...
槇本楠郎 「文化村を襲つた子供」
...「なにを小癪な」と...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...貴様の中に牛乳が何合入ってりゃあそんなに威張るんだ」「何を小癪な」「何を生意気な」とうとう取っ組み合って...
夢野久作 「キャラメルと飴玉」
...あっと驚いて一同は飛び離れたが、「小癪な女め、蟷螂(とうろう)の斧(おの)だ」と一人が懐剣の下を潜(くぐ)ってその手を捻じ上げた...
吉川英治 「剣難女難」
...「小癪なやつ...
吉川英治 「三国志」
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