...お正月に小槌を使って餅をつく...
...小槌を振ってスタートの合図をする...
...小槌を持って、竹を叩く音を鳴らしながら祭りを盛り上げる...
...「小槌の音色」という言葉があるように、小槌の音は美しい...
...古代から小槌は神聖な道具として扱われてきた...
...何でも好きなものの振り出せる打出(うちで)の小槌(こづち)という宝物さえある...
芥川龍之介 「桃太郎」
...また打出の小槌なり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...幸子は「小槌屋(こづちや)呉服店」と記してある畳紙(たとう)の紐(ひも)を解きかけていたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それから、あれは今年の八月であったか、或る日小槌屋(こづちや)呉服店の若主人が誂(あつら)え物を持って来たので、食堂で午後のお茶を始めていた幸子は、暫(しばら)く妙子を応接間へ出して相手をさせながら、二人がしゃべるのを此方の部屋で聞いていたことがあったが、「娘(とう)ちゃんは肥(こ)えてはりますさかい、単衣(ひとえ)のべべをお召しになると、お臀(いど)を切られまっせ」と、小槌屋が云うと、「切られへんけど、大勢あとに尾(つ)いて来るわ」と、妙子が云っている...
谷崎潤一郎 「細雪」
...小槌屋は平素お得意先の奥様やお嬢様にこんな風な物言いをする男ではないので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...小槌(こづち)屋に頼んで出物を捜させたような始末で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それより打出の小槌を出せばいいぢやないか」長男がさう言つた...
外村繁 「打出の小槌」
...打出の小槌だといってたじゃありませんか...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...小槌そのものは架空の観念でも...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...疳癪(かんしやく)がおこつた時(とき)には表(おもて)の米屋(こめや)が白犬(しろいぬ)を擲(は)ると思(おも)ふて私(わたし)の家(うち)の洗(あら)ひかへしを光澤出(つやだ)しの小槌(こづち)に...
樋口一葉 「わかれ道」
...右手に小槌、左手に鑿(のみ)を持っているのは、それまで、しゃがんで、なにかを彫っていたらしい...
火野葦平 「花と龍」
...父親が調子をとつて小槌を振りあげ...
牧野信一 「南風譜」
...右手の斧は小槌と代て見て...
南方熊楠 「再び毘沙門に就て」
...打出(うちで)の小槌(こづち)...
柳宗悦 「蓑のこと」
...明治の世も治まって八、九年頃から、狂歌もぽつぽつ復活、代々の判者四世絵馬屋、二世琴通舎、面堂、春の屋始め梅屋、文の屋、弥生庵、岩上亭、桃の屋などを先達に月次会の催し、連中も本町側、小槌側、浅草側、あるいは八雲連、寿連、糸巻連そのほかいろいろ...
山本笑月 「明治世相百話」
...その麺麭を小槌で割つて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...官庫は彼女の打出(うちで)の小槌(こづち)であり...
吉川英治 「江戸三国志」
...西施(せいし)、小観音、おだまき、箱根、小槌、獅子丸などどれひとり道誉と馴じみ少ないものはない...
吉川英治 「私本太平記」
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