...一拶(いっさつ)を残したまま飄然(ひょうぜん)として竹林に去ってしまった...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...飄然として風の如く此職員室に立ち現はれた人物が...
石川啄木 「雲は天才である」
...新太郎が二歳(ふたつ)の年に飄然(ぶらり)と家出して...
石川啄木 「天鵞絨」
...飄然(ひょうぜん)この地へ来た...
相馬泰三 「六月」
...そうして間もなく飄然(ひょうぜん)と渡支した...
太宰治 「佳日」
...それは帆も楫も用いないで飄然とひとりで往く舟であった...
田中貢太郎 「竹青」
...それにも拘らず、露伴は五六囘で筆を絶つて、飄然として、赤城(あかぎ)の山中に隠れた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...終に飄然として外國漫遊の客と爲り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...飄然(ひょうぜん)と画帖を懐(ふところ)にして家を出(い)でたからには...
夏目漱石 「草枕」
...この主張のために道也はまた飄然(ひょうぜん)として任地を去った...
夏目漱石 「野分」
...わざわざ年始状をよこした迷亭君が飄然(ひょうぜん)とやって来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...噂(うわさ)をすれば陰の喩(たとえ)に洩(も)れず迷亭先生例のごとく勝手口から飄然(ひょうぜん)と春風(しゅんぷう)に乗じて舞い込んで来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...うちの主人は時々手拭と石鹸(シャボン)をもって飄然(ひょうぜん)といずれへか出て行く事がある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...升屋から飄然(ひょうぜん)と立去りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...名も告げずに飄然と帰って行った...
久生十蘭 「泡沫の記」
...よい見せしめじゃ」鐘巻自斎が小野忠雄の門から飄然(ひょうぜん)と出て行くと...
吉川英治 「剣難女難」
...飄然(ひょうぜん)と京から姿を隠してしまった...
吉川英治 「剣難女難」
...また飄然(ひょうぜん)と立ち去ってしもうた...
吉川英治 「新書太閤記」
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