...孤笈飄然(こきふへうぜん)として英京に去れり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...故山の花を後(あと)にして飄然北海の客となつた...
石川啄木 「悲しき思出」
...僅(わず)かばかりの身の廻りのものを友の家に預けて飄然として放浪の旅に上った...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...夜光命(よびかりのみこと)飄然來りて裸男を訪ひ...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...自分の子とは思うていないのかしら」そこへ飄然(ひょうぜん)と竜之助が帰って来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...飄然(ひょうぜん)と旅をして来た浪士体(てい)の精悍(せいかん)な男が一人...
中里介山 「大菩薩峠」
...その翌日はまた飄然(ひょうぜん)として...
中里介山 「大菩薩峠」
...かね」と迷亭はあいかわらず飄然(ひょうぜん)たる事を云う...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...飄然(へうぜん)と江戸へ歸つて來る外はありませんでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分」平次は飄然(ひょうぜん)として帰って行くのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...飄然(へうぜん)として増田屋を去つてしまつたのは一と月ほど後のことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...生計の一点においてはただ飄然(ひょうぜん)として日月(じつげつ)を消(しょう)する中に...
福沢諭吉 「成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ」
...Bは飄然として満蒙方面へ姿をかくしてしまふといふやうな状態に変るのであつた...
牧野信一 「なつかしき挿話」
...夏は来ぬかの焔よりいや熱く燃ゆるは君の胸ばかりかはふと土に手を触れながらかのひとのことを思へば涙こぼれぬ夏は来ぬ大川端に泣きにゆく頃となりぬと書ける文かな大川の風に吹かれて来るごとし飄然としてきたる汝が文はらはらとわが膝の上にこぼれたる涙に似たる雨の音かな病蘇小彼の女がどつと重い病の床に就いたのは...
吉井勇 「酔狂録」
...おれは飄然(ひょうぜん)と日本から影を消し...
吉川英治 「江戸三国志」
...飄然(ひょうぜん)です...
吉川英治 「江戸三国志」
...金儲けに来たわけではありません」飄然とまた小舟に乗って...
吉川英治 「三国志」
...こちらは飄然(ひょうぜん)たる旅人にすぎぬが」「まず...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索