...兄は実体(じつてい)な小柄な体をまめ/\しく動かして働いた...
有島武郎 「お末の死」
...又も一人は水色の服を着た小柄な男と言明している通りに...
大阪圭吉 「花束の虫」
...浴衣に赤い帶をしめたあたらしい小柄な小間使が...
太宰治 「思ひ出」
...縮れ毛の醜い女ではなくて三十前後の小柄な男であった...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...二十三四に見える小柄な綺麗な女であつた...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...鳥打帽(とりうちぼう)を冠(き)た小柄な男が立っていた...
田中貢太郎 「水魔」
...小柄な顔の眼のちかちか光る男であった...
田中貢太郎 「餅を喫う」
...一つか二つ年下に見える小柄な品のいゝ美少年でした...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...六番目の最もつまらない人物はブラウンという名で通っている小柄な英国の坊さんであった...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...その時にお銀様は、自分の面をそむけるような形で、「では、お前さんの方で気がつかないうちに、お父さんがお前さんを見つけるでしょう」「いいえ、お父さんは、わたしが迎えに来ているということを知らないでしょう」「それでは、大きな声で呼んでごらんなさい」「でも……」小さな尼は口籠(くちごも)って、「でも、お父さんを呼びかけることが、あの人の為めにならないかも知れません……どうぞ後生(ごしょう)ですから、小柄な、面の黒い、そうして額際から頬へかけて大きな創のある人にお気がつきましたら、おっしゃって下さい、わたしも一生懸命見ていますから」お銀様は、小さな尼の頼みと、その口から父の人相の説明を聞いて、なんとなく刺されるようなものを感ぜずにはおられませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...白い胸掛は見るからはき/\として小柄なおふさを三つも四つも若くして見せた...
長塚節 「おふさ」
...小柄な博勞は猿の如くすら/\としなの木の梢にのぼつた...
長塚節 「佐渡が島」
...年のころ三十四五の痩せた小柄な男...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それが、利口だよ」そういううちにも、黒い大男の身体が、小柄なマンを、風呂敷につつむように、からんで来た...
火野葦平 「花と龍」
...その男は黒の上衣のポケットに純白なハンケチを覗かせた二十七八の小柄な青年である...
松本泰 「日蔭の街」
...すると、鐘のおろしてある鐘楼のところで、「ここだ」という声がし、小柄な、黒い人影の立ちあがるのが見えた...
山本周五郎 「ひとでなし」
...マリイ夫人というのは西洋婦人としては小柄な方で...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...腰縄で首うなだれてゆく小柄な男――やはり久助にちがいなかった...
吉川英治 「大岡越前」
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