...どちらかと云へば小柄な男だが...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...葉子も不思議にこの小柄な青年に興味を感じた...
有島武郎 「或る女」
...停留所に立って最後の赤電を待っていると、小柄な、痩せた婦人が前屈みに、ちょこちょこ歩いて来た、何気なく両方で顔を見合せ、私がオヤと思うと同時に先方でもハッと思ったらしく立止って、「まあ」と大きな声で云った...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「素晴しい記念品」
...痩せた小柄な幸徳は...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...小柄な男はその夜(よ)をはじめとして折(おり)おりやって来た...
田中貢太郎 「ある神主の話」
...私をなんと思っているかな」小柄な男が云うと勘作はすまして云った...
田中貢太郎 「ある神主の話」
...今房一はたゞ鼠のやうな眼をした小柄な男を見ただけであつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...人並よりは小柄な身に簡易な洋装をした姿...
永井荷風 「男ごゝろ」
...この怪しい舟の船夫(せんどう)というのは小柄な男で...
中里介山 「大菩薩峠」
...小柄な方も思つたよりは活溌に立ち合つたが紺づくめの鋭い打込みかたはまた格別である...
長塚節 「撃劍興行」
...さうか佐渡は仰山稻が出來たと大きな聲で小柄な男がいつた...
長塚節 「佐渡が島」
...神経質らしい小柄な美少年で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人眼につかぬような小柄なブロンドの娘で...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...それは、小柄な、頬(ほお)の赤い若者だった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...第二は、前夜の八時頃古田君が蛤橋の袂で出逢って、十時すこし前まで〈那覇〉でいっしょに飲んだという十八九の、小柄な美しい娘...
久生十蘭 「金狼」
...正直なところ、早く引継をして、肩の荷をおろしたいというところが本音なんで」三十五六の、小柄な、眼元に力みのある、事務家というよりは技術家といった明快なタイプで、歯切れのいい標準語でテキパキものをいった...
久生十蘭 「ノア」
...そういうわけで、ある日、大食堂での朝食のとき、かれは支配人に――あのフランスふうのフロックコオトを着た、小柄な、静かなものごしの男に詰問(きつもん)した...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...玄武岩造りのより小柄な建物――皆...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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