...それが小心な私には...
芥川龍之介 「疑惑」
...吾人の自負は未だ舞台の広大なるに眩目(げんもく)する程に小心ならざる也...
石川啄木 「閑天地」
...吾人何んぞ今にして其前途のために小心なる妄想を逞(たくまし)くせんや...
石川啄木 「閑天地」
...……二月十五日少し歩いて雨、布津、宝徳屋(三〇・中)気が滅入つてしまうので、ぐん/\飲んだ、酔つぱらつて前後不覚、カルモチンよりアルコール、天国よりも地獄の方が気楽だ!同宿は要領を得ない若者、しかし好人物だつた、適切にいへば、小心な無頼漢か...
種田山頭火 「行乞記」
...小心な不安な執拗(しつよう)な意見がくり返された...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そういう時小心な彼は心の秘密を誰かに覗き見でもされはしないか...
中村地平 「霧の蕃社」
...かかわり合いになるのを怖れて小心な劉石舟は旅に出たほどだが...
服部之総 「志士と経済」
...一種のひどく利己的で小心な...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...何て言い訳しよう」小心な正直者にとって...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...兎もあれ案外に小心な彼は...
牧野信一 「老猾抄」
...平生はあまり口もきかない小心な人間で...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...放胆な中に小心な用意の存する所を看取することが出来た...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...夜半まで駈ける小心な大名どもの肚の底が見(み)え透(す)いて愍(あわ)れが深い……...
吉川英治 「大谷刑部」
...けれど小心な彼は半面でまた...
吉川英治 「三国志」
...まさか?」小心な自己...
吉川英治 「私本太平記」
...わけて新田義貞の一面小心な競争心の潜在も彼は見のがしていず...
吉川英治 「私本太平記」
...小心なほど、父は出所以来、世間をおそれ、かつ妙に世間をすねていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...社会の小心な一部の無根拠な恐怖の伝播であり...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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