...私の周囲のものは私を一個の小心な...
有島武郎 「小さき者へ」
...人間としては正直すぎる程正直で小心な四十男を選ぶ...
石川欣一 「山を思う」
...いやらしいくらいに小心な債務家のようなものであった...
太宰治 「十五年間」
...充分、小心なほどに、用心しているつもりである...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...それが小心な養父には...
徳田秋声 「あらくれ」
...元々が小心な彼は...
戸坂潤 「社会時評」
...小心な不安な執拗(しつよう)な意見がくり返された...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「君子この小心なかるべからず」といっている...
新渡戸稲造 「自警録」
...という極く小心な「正直(しょうじき)」から刻苦するようになったんだ...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...しかれども余は磊落高潔なる蕪村を尊敬すると同時に、小心ならざりし、あまり名誉心を抑え過ぎたる蕪村を惜しまずんばあらず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...謙虚な小心な愛で愛している...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...放胆な中に小心な用意の存する所を看取することが出来た...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...元来、小心な何進、一時は憤怒にかられて、この大事をあえて求めたが、一瞬のまに禁門の内外はこの世ながらの修羅地獄と化し、自分を殺そうと謀った蹇碩(けんせき)も殺されたと聞いたので、一時の怒りもさめて、むしろ自分のつけた火の果てなくひろがりそうな光景に、呆然と戦慄をおぼえているらしい容子であった...
吉川英治 「三国志」
...いかがなものかと」「小心な奴の」大塔ノ宮は笑って...
吉川英治 「私本太平記」
...小心な彼はその姿にまで...
吉川英治 「新書太閤記」
...根は正直で小心な人物とみえ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...小心なと、反省もしてみるが、無視するには、義経の天質が偉(おお)きすぎる...
吉川英治 「源頼朝」
...社会の小心な一部の無根拠な恐怖の伝播であり...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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