...先月鳴雪翁小家に来られ曰く...
高浜虚子 「子規居士と余」
...近くの私共の星野温泉地の小家にも寄りなさい』と紙片に所の名を書いて渡した...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...陰鬱(いんうつ)な小家(こいへ)は不規則に限りもなく引きつゞいて...
永井荷風 「すみだ川」
...水に添う低い小家(こいえ)の格子戸外(こうしどそと)には裸体(はだか)の亭主が涼みに出はじめた...
永井荷風 「すみだ川」
...平家建(ひらやだて)の小家が立並ぶ間を絶えず曲っているが...
永井荷風 「寺じまの記」
...道端の小家には灯がつき...
永井荷風 「雪の日」
...一旦この小家族の中で波がおきると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...いわゆる君公には容易に目通(めどお)りもかなわざりし小家来(しょうけらい)が...
福沢諭吉 「徳育如何」
...寺の門前に住みたる小家もお寺の縁によりこの日は遊び暮らすとなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...花を蹈みし草履も見えて朝寐(あさね)かな妹が垣根三味線草の花咲きぬ卯月(うづき)八日死んで生るゝ子は仏閑古鳥(かんこどり)かいさゝか白き鳥飛びぬ虫のためにそこなはれ落つ柿の花恋さま/″\願の糸も白きより月天心貧しき町を通りけり羽蟻(はあり)飛ぶや富士の裾野の小家より七七五調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...小家のまわりを、警戒しながら、ちらちらと、かすかに洩れて来る美しいこえを聴いているうちに――そして、甚太郎との物語が、なかなか尽きそうもないので、いらだたしい気持を押えかねているうちに、ふッと、――浪路どの、どんな暮しをしているのか? 大奥で過していた身が、こんな乏(まず)しげな家で――と、思って、裏手にまわって、閉め忘れたらしい小窓に、灯火がほんのりさしているのを見つけ、はしたなく、隙見(すきみ)をしたのが、因果だった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...うれしく呼吸を引き取ったこの小家から...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その仏師の仮住居らしい竹垣の小家の前にはコスモスが咲いている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼小家の前に立って望めば...
森鴎外 「細木香以」
...昔崖の上の小家の台所であった辺が...
森鴎外 「細木香以」
...アルピの野の小家に住むように...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...小家の侘(わび)しい物の香(か)も...
柳田国男 「木綿以前の事」
...小家の一族も安心しておられますが」「先生の一族はいま何処(いずこ)に居住しているのか」「荊州(けいしゅう)を追われ...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索