...その日も清綱さまから京の土産話をさまざま御聴取になつて一日打ち興じて居られましたが、都に於いて去る九日、新日吉小五月会、上皇御幸、その時の美々しくにぎやかな御有様など清綱さまは、ありありと眼前に浮ぶくらゐお上手にお話申し上げて、競馬、流鏑馬、的等の番組は記憶ちがひのないやうに、ちやんとこのやうに紙にしるしてまゐりましたと言つて懐中から巻紙を取り出し、御前にさらさらとひろげて、この時競馬の一番目の勝負は誰と誰、二番目は誰と誰、鼓の役は親定朝臣、鉦鼓は長季、いやもうさかんなものです、などと清綱さまもそれは心得たものでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...どんなに小五月蠅(こうるさ)く感じたか知れませんでした...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...仕事を頼むの何がどうしたのと小五月蠅(こうるさく)這入込(はいりこ)んでは前だれの半襟(はんえり)の帯つかはのと附届(つけとどけ)をして御機嫌を取つてはいるけれど...
樋口一葉 「わかれ道」
...仕事を頼むの何が何うしたのと小五月蠅(こうるさく)這入込んでは前だれの半襟の帶つかはのと附屆をして御機嫌を取つては居るけれど...
樋口一葉 「わかれ道」
...日吉山王(ひえさんのう)でもいう小五月(こさつき)であろうと思う...
柳田国男 「年中行事覚書」
...誰しも疑わない姫草ユリ子の正体をここまで疑って来た妻のアタマを小五月蠅(こうるさ)く思いながら……...
夢野久作 「少女地獄」
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