...小ぢんまりした支那のサロンに...
芥川龍之介 「上海游記」
...郊外の小ぢんまりした路角(みちかど)の家の茶の間で...
犬養健 「姉弟と新聞配達」
...小ぢんまりしたいゝお家でせう...
鈴木三重吉 「桑の実」
...かねて馴染の小ぢんまりした部室(へや)に入つて往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...小ぢんまりした別荘も買えようというものです...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...細い小ぢんまりした白い鼻をもち...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...こうして問屋の店は、冬の夜に誰しもかくあれかしと望むような、小ぢんまりした、温い、乾いた明るい舞踏室と変った...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...その中の一つは相当に小ぢんまりした田舎町で...
萩原朔太郎 「猫町」
...髪の毛の濃い小ぢんまりした小さな娘だった...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...繃帯は白い 小ぢんまりした丸顔でチョコンと坐つて居る丈夫なとき働いてゐるときすつかり忘れられて繃帯よお前は戸棚の隅に転げて居るああ しかし俺が傷つき痛んだとき繃帯よお前はぐるぐる伸びて疼く患部を優しく包み温める俺の唯一の保護者である繃帯の長さは誰でも計れるだらうだが俺は現在(いま)計れぬ深い繃帯の愛情を感謝してゐる 浸つてゐるこれは昭和九年の冬...
北條民雄 「癩院記録」
...そうして電車通りの向う側にある一つの赤ちゃけた小ぢんまりした建物を指さした...
堀辰雄 「旅の絵」
...小ぢんまりした村を...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...小ぢんまりした高原などを小一時間ほど歩いてみたが...
堀辰雄 「爐邊」
...小ぢんまりした夫人の横でなお堂々と感じられる盛装の体をちぢめるようにしながら謙遜した...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...覗きもなだらかで小ぢんまりした手ごろのものだつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...いつの時代か繰りかへされてもかれだけは真実で小ぢんまりしたつやけし玉のやうにこつくりした光で...
室生犀星 「忘春詩集」
...小ぢんまりした身体(からだ)には贅沢なものらしい透かし入りの白い襦袢(じゅばん)と...
夢野久作 「鉄鎚」
...下町の小ぢんまりした格子(こうし)作りで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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