...より尊い生活である...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...昔の其の人に決して見られなかつた一種の尊い境地に入り得た人の泰然とした落着きに入り得て一切が据つてゐる...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...それだけに一年中で夏は尊いのだった...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...王樣にも勝(まさ)つて尊いお方です...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...尊い悪魔であつたよ...
種田山頭火 「其中日記」
...これこそ人間にとって何より尊いものだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...それらの咲き誇ったみずみずしい魂ほど喜ばしくまた尊いものはない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ほとんど尊い影のうちに少女らが育ってゆく優しい厳重な場所の一つであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...明治(めいぢ)初年の出版物は自分が此の世に生れ落ちた当時の人情世態を語る尊い記録(ドキユウマン)である...
永井荷風 「虫干」
...如何(いか)に質素倹約のものであったか思いやられて尊い...
中里介山 「法然行伝」
...その時自分の頭に『生命(せいめい)の故郷』といふ詞(ことば)が一つの尊い啓示が何かのやうに閃(ひらめ)いた...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...三十年かかってようやく積もった尊い塵である...
夏目漱石 「三四郎」
...尊い仏像の剣に碧血(へきけつ)の斑々(はんはん)たるのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かうした明治市井文化の一断片としてのわが家の尊い存在をさら/\知るところなく...
正岡容 「山の手歳事記」
...お金は尊いものには違ひないが紙でこしらへたものでつせ...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...「尊い王様...
宮原晃一郎 「孝行鶉の話」
...925肩の摩れ合うような狭い巷(こうじ)や礼拝堂の尊い闇から出たりして...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...勇ましいとも、美しいとも、尊いとも、勿体ないとも、涙ぐましいとも、何ともかんともたとえようのない人間美の現われでなければならぬ...
夢野久作 「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」
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