...それは人気のない墓地の隅に寺男か何かの掃き集めた樒(しきみ)の葉を焚いてゐる匂であらう...
芥川龍之介 「鴉片」
...寺男や坊さんに追ひかけられたものである...
芥川龍之介 「本所両国」
...寺の和尚は不思議に思って寺男達に命じてその後をつけさせました...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...其処(そこ)の寺男が縁側で仮睡(うたたね)をしていると...
田中貢太郎 「義猫の塚」
...和尚さんに助けられた恩義があるからね」寺男ははっとして眼を開けたが...
田中貢太郎 「義猫の塚」
...間諜(かんちょう)の老寺男が毎晩うずくまって祈祷(きとう)の文句を鼻声でくり返しながら人をうかがってる場所と...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今一人は寺男である...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...あとから目の色を変えて見舞に来た遠方の檀家(だんか)の者に向って寺男が...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうしたら寺男は笑ひながら下駄を出して僕の身體を左の手で抱いて僕の足を盥へ入れて洗つてくれた...
長塚節 「開業醫」
...釜吉といふ五十年配の寺男がゐますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寺男は紙ぐれえ欲しけりゃ自分で買いますだよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...寺男にすっかり聞いたんだ」「なぜそんなことをしたの」「お父上の遺骨が納戸の中にあったからだ」と新八は云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...寺男の給仕する粟飯を湯漬(ゆづけ)にして...
夢野久作 「白くれない」
...鼻寺の法達や寺男の八助と知り合で...
吉川英治 「江戸三国志」
...抜け出してきたのでございます」「覆面の男?」「寺男のいうには...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...平常はただ年寄った寺男が一人居るだけであった...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
...あの寺男の爺さんはどうしているであろう...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
...お宿をすると云つてもその寺男の喰べるものを一緒に喰べて貰はなくてはならぬがそれで我慢が出來るか...
若山牧水 「比叡山」
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