...廿五日、壬子、陸奥国平泉保の伽藍等興隆の事、故右幕下の御時、本願基衡等の例に任せて、沙汰致す可きの旨、御置文を残さるるの処、寺塔年を追ひて破壊し、供物燈明以下の事、已に断絶するの由、寺僧各愁へ申す、仍つて広元奉行として、故の如く懈緩の儀有る可からざるの趣、今日寺領の地頭の中に仰せらると云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...それと、もう一つは、財政がもはや全く枯渇して、化物屋敷の類焼以来は、江戸三界では融通が利(き)かなくなったということで、それがおのずからこの男を謹慎にし、多少、謹慎の味がわかってみると、遅蒔きながら、生涯を蒔き直そうかという気にもなってみ、寺僧に就いて、多少、禅学の要旨を味わってみたり、茶や、生花の手ずさみを試みてみたり、閑居しても、必ずしも不善を為さぬような習慣になっているのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...進んで寺僧に向って忠告――というまでにもならないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...寺僧既に端然衣を整へて出で行くを促す...
長塚節 「草津行」
...さすがの寺僧(じそう)もここまでは手が届かぬと見えて...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...この物音に驚いて寺僧たちが駈けつけたとき...
正岡容 「我が圓朝研究」
...藤原清衡砂金千両を三井寺僧千人に施す...
南方熊楠 「十二支考」
...寺僧に其所在を問うて已(や)まなかつた...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...寺僧は資を捐(す)てて新に壽阿彌の石を立てた...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...此間寺僧にして能く過(あやまち)を悔いて...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...寺僧をして増歳(ぞうさい)の祭をなさしめた処...
柳田国男 「年中行事覚書」
...初代次郎右衛門以後一寺僧の声がした...
吉川英治 「剣の四君子」
...五月十一日 着到和泉党 百四十六人金剛寺僧 九人散所衆 四十五人十三日深夜備前国ヨリ帰参ノ衆島々ノ海上衆合セテ二百二十人十四日吉野郷士...
吉川英治 「私本太平記」
...寺僧へ何かいうと...
吉川英治 「源頼朝」
...遥かに大きい寺僧のがなり声が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そこへ奥に泊っている檀家(だんか)の長岡佐渡様がお召しになっている――というべつな寺僧の迎えであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...徳願寺の寺僧が一名...
吉川英治 「宮本武蔵」
...が寺僧は、そういう冒漬(ぼうとく)をあえてすれば仏罰立ちどころに至って大地震(ふる)い寺塔崩壊するだろうと言って、なかなかきかなかった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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