...寺中に養はれる事となつたげでござるが...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...香爐を提げて寺中の職をなさんやうなし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...一箇所大きい寺のあるあたりには塔中(たっちゅう)また寺中(じちゅう)と呼ばれて小さい寺が幾軒も続いている...
永井荷風 「日和下駄」
...我は十里外の小寺中に俟(ま)ち受けんというたと...
南方熊楠 「十二支考」
...然るに墓誌を刻した嶺松寺中の石は...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「本所報恩寺中祥善寺」に作つてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...たとえば下総(しもうさ)国府台(こうのだい)総寧寺の天正三年の制札に「一つ寺中の堀之内陣取るべからざる事」とある(嘉陵紀行二編三)...
柳田國男 「地名の研究」
...寺中は大混乱の巷と化します...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...おなじ東大寺中でも...
吉川英治 「私本太平記」
...さしも広い永久寺五十二坊の寺中が足のふみ場もない...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし寺中をあげて...
吉川英治 「私本太平記」
...寺中へは多額な寄進もされ...
吉川英治 「私本太平記」
...いやまだ、そのほかにも、寺中の老幼、稚子(ちご)、堂衆(どうしゅう)まで、ひと目に数えても百五十人に近かろうと思われる人々が、恐ろしげに、幼きは老いたる者へ、老いたるは若者へ、抱き合ったまま竦(すく)んでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...寺中をあげて款待(かんたい)につとめたことはいうまでもない...
吉川英治 「新書太閤記」
...平野権平が、答えて出ると、秀吉は中二階のはしご段へ足をかけながら振向いて、「寺中へ参って、光泰に、出かけるぞと、合図して来い...
吉川英治 「新書太閤記」
...弥惣にすぐこれへといえ」あわただしい跫音(あしおと)が、寺中を駈けた...
吉川英治 「新書太閤記」
...『――寺中へまで申し入れる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...――お国元の但馬(たじま)から寺中へ宛てて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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