...こちらはもちろん文字通り寸鉄をだに帯びていない...
石川欣一 「比島投降記」
...」二十一冷(れい)か、熱か、匕首(ひしゅ)、寸鉄にして、英吉のその舌の根を留めようと急(あせ)ったが、咄嗟(とっさ)に針を吐くあたわずして、主税は黙って拳(こぶし)を握る...
泉鏡花 「婦系図」
...寸鉄を用いざるのときにおいてはかの戦国の時代において必要品なる刀剣は一変して驕奢品となり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...寸鉄的な箴言の性質を帯びて来る...
戸坂潤 「思想としての文学」
...『饒舌』は寸鉄かへつて人を殺すに足るとて三十二頁の小冊子とし...
永井荷風 「書かでもの記」
...身に寸鉄を帯びずして出て行くということに安心したものと見えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...この身に寸鉄もない……寸鉄があったからとて...
中里介山 「大菩薩峠」
...寸鉄も帯びなかった六郷左京は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...身に寸鉄を帯びていぬのであった...
久生十蘭 「魔都」
...裾を五六寸鉄でヂョキヂョキと切り落した...
牧野信一 「スプリングコート」
...「身に寸鉄も帯びず平服のまんまで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...政府と役人と貴族とに従順なるべしと云へる奇妙なる結論を為し得意然たりし時に彼は寸鉄人を殺す的の冷評を試みたりき...
山路愛山 「明治文学史」
...“ままごと棚(だな)”世相夕刊一面の各紙の寸鉄欄(たとえば朝日の素粒子...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...けれど身には寸鉄も帯びていない...
吉川英治 「三国志」
...寸鉄(すんてつ)もおびていない自衛意志(じえいいし)が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...身に寸鉄を帯びるでもなく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...身に寸鉄も帯びていない風呂の中であったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...十二分に武装したものが寸鉄を帯びざる敵と相対せるものの如く冷然としてその目的に突進しつつ平静...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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