...寸分も舞台を離れない...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...つい近頃の新聞に出てゐた或女人のヒステリイ患者と殆ど寸分も変つてゐない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...寸分も間違えないで話を進めて行った...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...寸分も抜け目のない女賊の用心を讃嘆しないではいられなかった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...木の葉をかざしたままの蟻と寸分も違わぬ種類がある...
丘浅次郎 「自然界の虚偽」
...木の葉と寸分も違わぬ木の葉蝶や...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...いま眼の前に見るこのたけと寸分もちがはない老成した人であつた...
太宰治 「津軽」
...あの土砂降りの雨の晩に大戸を叩いて阿母(おふくろ)と話をしていった女の人というのと寸分も変りのない姿でございます...
橘外男 「蒲団」
...これには寸分も証拠とてはござりませぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...寸分も神経の休養が許されない...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだその広汎な理解と燃えたぎる深い内心の欲求とを寸分も生かして居らぬのに孫四郎はとも角その卑俗な趣味の偏狭に徹底して...
長與善郎 「青銅の基督」
...つい今しがたもう一方の奥に見かけたばかりのと寸分も異(ちが)わない...
堀辰雄 「美しい村」
...寸分も變りないではないか...
吉川英治 「折々の記」
...今は高時のそばを寸分も離れまいと近侍しているのだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
...寸分も油断はならぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...寸分も変らないで...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...母の膝から寸分も離れないのである...
吉川英治 「源頼朝」
...褪色(たいしょく)した水彩画のようなあたりには「豊さ」というものは寸分も見出せなかった...
蘭郁二郎 「自殺」
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