...寸分も舞台を離れない...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...寸分も変らない陳彩であった...
芥川龍之介 「影」
...僕の心の奥が絶えず語っていたところと寸分も違わない...
岩野泡鳴 「耽溺」
...「また寸分も減ずることはできないというが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...加うるに翅の全形が木の葉の形と寸分もたがわぬゆえ...
丘浅次郎 「自然界の虚偽」
...木の葉をかざしたままの蟻と寸分も違わぬ種類がある...
丘浅次郎 「自然界の虚偽」
...もし同一種属の個体がすべて寸分も違わず...
丘浅次郎 「進化論と衛生」
...此の女が自分を好きなのか嫌ひなのか寸分も解らなかつた...
徳田秋聲 「浪の音」
...これには寸分も証拠とてはござりませぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...寸分も神経の休養が許されない...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだその広汎な理解と燃えたぎる深い内心の欲求とを寸分も生かして居らぬのに孫四郎はとも角その卑俗な趣味の偏狭に徹底して...
長與善郎 「青銅の基督」
...寸分も足掻(あが)きを効かせまいと行届いた手配だ...
羽志主水 「監獄部屋」
...さればこの議論と実業とは寸分も相齟齬せざるよう正しく平均せざるべからざるものなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...つい今しがたもう一方の奥に見かけたばかりのと寸分も異(ちが)わない...
堀辰雄 「美しい村」
...あの列車に投じて出征してゆく者と寸分も違(たが)はぬ凜たる夢心地に酔つてゆくばかりであつた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...寸分も高さの差がないということであります...
柳田國男 「日本の伝説」
...寸分も變りないではないか...
吉川英治 「折々の記」
...褪色(たいしょく)した水彩画のようなあたりには「豊さ」というものは寸分も見出せなかった...
蘭郁二郎 「自殺」
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