...「それでは一寸片付けて仕舞ひますから」と云ひながら立上つて隣に行つた...
有島武郎 「半日」
...その内いつか都合のいゝときに一寸出て来てくれる訳には行かないか...
鈴木三重吉 「桑の実」
...どれ一寸……」と言つて極(きま)つたやうに鋼鑼の横(よこ)つ面(つら)を厭といふ程叩(どや)し付ける...
薄田泣菫 「茶話」
...湯涌村から地圖の上で二三寸山の方へ入るともう路が盡きてゐる...
竹久夢二 「砂がき」
...憶えて居る方は一寸手を擧げて見て下さい』と訊いた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...申しますと」「一寸...
直木三十五 「南国太平記」
...一寸お願ひしますよ...
永井壮吉 「人妻」
...俺(お)らこつちの方(はう)通(とほ)つたもんだから一寸(ちよつくら)踏(ふ)ん掛(がゝ)つて見(み)た處(ところ)さ」おつたは何(なに)か理由(わけ)の有相(ありさう)な口吻(くちつき)で輕(かる)くいつた...
長塚節 「土」
...ところで一寸困ったことは...
中谷宇吉郎 「雪今昔物語」
...長さ九寸、朴(ほお)の木で作ったヒョロヒョロの矢ですから、他の場所に当ったんでは、大した業もしなかったでしょうが、眼玉を射ただけに、これは厄介です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お菊さんに店をたのんで一寸波止場へ行ってみない? 子供に見せたいのよ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...一寸(ちょっと)利七さんに所用があってお寄りしたようなわけだッたんだが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...ハネ十時一寸前となる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「いゝですか、一寸酷いですよ...
牧野信一 「余の倅に就いて」
...すぐに用意してあったもうひとつの寸分違わぬ首ぬき浴衣を...
正岡容 「圓朝花火」
...男は一寸手を引いたけれ共思いきった様にあけてたたきに立った...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...一刻を争ひ寸陰を惜(をし)む現代人に其(その)様な手緩(ぬる)い形式を把(と)つて居る事は作者も読者も堪へ得ない事だ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...二寸に積もっているもみじの落葉を掃除するのはなかなかの骨折りであった...
和辻哲郎 「京の四季」
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