...然れども独乙には実際寒威其者よりも寧(むし)ろ氷雪の為めに飼料を求むる能はざるが為めに飢死する小動物ありと聞く...
石橋忍月 「舞姫」
...寧(むし)ろ生徒の方から...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...こと更らに丁寧なお辭儀をして...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...サン・シモンの社会科学の真理は寧ろK・マルクスによって生かされたと見るべきだろう...
戸坂潤 「科学論」
...元来事実の解釈ということは、事実が持っている意味の解釈のことであり、そして、事実はいつでも一定の意味を有つことによって初めて事実という資格を得るものだから(そうではない事実は無意味な事実だ)、事物間の表面からは一寸見えない連関を暴き、隠された統一を掴み出すべき哲学が、事実の有つだろう意味の在りかをつきとめるために、特にその解釈の力に於て勝れていなければならぬのは、寧ろ当然だろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...寧ろ却って文芸の内にこそ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...丁寧(ていねい)に頭に撫(な)でつけられてる髪は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...呆れたというよりも寧(むし)ろ恥じ入ってしまったのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...今度は寧ろ法外(ぐわい)に熱(ねつ)した具合で...
夏目漱石 「それから」
...敬太郎はますます自分の挨拶(あいさつ)が丁寧(ていねい)過ぎたような気がした...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...顏は寧(むし)ろ穩か過ぎる程穩かで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...縮こまって小さくなっているよりは寧(むし)ろどしどし発展することを好む...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...イヤ寧(むし)ろ叔母に対して気の毒に成ッて来た...
二葉亭四迷 「浮雲」
...寧ろ容易(ようい)ならぬことらしかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...否寧ろ是を艶美を増すところの「美の豆粒」として尊重し...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...検死なんて止めろ」警部補が丁寧に言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...寧ろ動物が物を言ったという話の続きをした方がよい...
柳田國男 「夢と文芸」
...お迎えしたがよい」寧子はいそいそと庫裡(くり)の水屋へかくれた...
吉川英治 「新書太閤記」
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