...孤獨と寂寥と山と湖との心に充てるその材料の世界に云ひ難い親しみを感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...天地の間に寥然として唯獨り存在する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...寂寥(せきりょう)たる夜店のあたりを一廻り...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...その「平安(へいあん)」や「寂寥(せきれう)」の黝(ねづみ)の色の毛布(けぬの)もて掩(おほ)へる如く...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...高樫(たかがし)の寂寥(せきりよう)の森の小路よ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...月明を楽しみつつ無人の孤島の寂寥(せきりょう)のうち...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...そこは一望寥闊(いちぼうりょうかつ)としたところであった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「成仙」
...そりゃ寥々たるものにはちがいないさ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...寂寥(せきりょう)たる蕭寺(しょうじ)の中に葬られたり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...そしてその寂寥の底に...
豊島与志雄 「蘇生」
...木でつくった日本の家に住んで初て知られる風土固有の寂寥(せきりょう)と恐怖の思である...
永井荷風 「西瓜」
...シカシテ遊客寥々(りょうりょう)トシテ尽日(じんじつ)舟車ノ影ヲ見ザルハ何ゾヤ...
永井荷風 「向嶋」
...よせうつ寂寥(せきりょう)と孤独と絶望の波をたえず頭からひっかぶっているおれにとって...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...汽車は曠野を走り行き自然の荒寥たる意志の彼岸に人の憤怒(いきどほり)を烈しくせり...
萩原朔太郎 「氷島」
...どこへ行っても砂原のように寥々とした思いをするので...
林芙美子 「新版 放浪記」
...この寂寥(せきりょう)な家を...
吉川英治 「野槌の百」
...孤独でござるの」「御明察のとおりでございます」「お年にしては寥落(りょうらく)なお姿...
吉川英治 「八寒道中」
...この言葉は私には何ともいへぬ寂寥味を帶びて響いて來る...
若山牧水 「樹木とその葉」
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