...十字架に於いて神を見たる聖フランシスの生活は實に寂寥そのもの...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...ドン・ホアンの寂寥と悲痛とは戲れに過ぎない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...いかに寥々たるものであったかが判りましょう...
上村松園 「画学校時代」
...寂寥宿直(とのゐ)やつれの雛星(ひなぼし)は...
薄田淳介 「白羊宮」
...寂性清寥居士といふ名前を見つけてかなり心を騷がせ...
太宰治 「思ひ出」
...例えば寂寥感とでもいった...
外村繁 「澪標」
...崇高な寂寥(せきりょう)の孤独だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私の孤独の寂寥さだ...
豊島与志雄 「聖女人像」
...私は寂寥の淵に沈んでゆく...
豊島与志雄 「聖女人像」
...彼は深い寂寥に囚えられた...
豊島与志雄 「二つの途」
...今まさに感じている寂寥感なのである...
中井正一 「美学入門」
...室外の天下は蕭寥(しょうりょう)たる秋である...
夏目漱石 「野分」
...寥廓(りょうかく)なる天の下...
夏目漱石 「幻影の盾」
...――荒寥地方――くづれる肉體蝙蝠のむらがつてゐる野原の中でわたしはくづれてゆく肉體の柱(はしら)をながめた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...祭の夜にひっ攫われたような荒っぽさと寥(さび)しさがホテルの建物じゅうに満ちているところを追々のぼって五階の廊下へ出たら...
宮本百合子 「十四日祭の夜」
...かくべつ寂寥にもあらざめりと悦申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...トム公の見えないことは伴奏者の来ない寂寥(せきりょう)にはちがいなかったが...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...おそろしい寂寥に体のうちを吹き抜かれる...
吉川英治 「私本太平記」
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