...ドン・ホアンの寂寥と悲痛とはまだまだ微小を極めてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...一層其凄寥(せいれう)の趣を知るに近からむなり...
石川啄木 「閑天地」
...政府委員の出席もなく議員の数も寥寥たるその議場へ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...此の荒寥たる光景を見て凄愴の感に打たれた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...さらに今中尉を奪われしことは我らにとって寂寥(せきりょう)これに過ぐるものはありません...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...最早始めに来た時に感じたやうな「孤独」と「寂寥(せきれう)」とをかれは感じなかつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...深い寂寥に堪え得なければならない...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...崇高な寂寥(せきりょう)の孤独だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...二人の心の底にある寂寥の感が湧いた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...冷たい微風に似た寂寥を感じましたね...
豊島与志雄 「未亡人」
...此書の如き寥々たる短篇中に...
内藤湖南 「敬首和尚の典籍概見」
...寂寥愛すべし...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...いよいよ寂寥孤独の境涯に身を置いたことが肯ずかれる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...久遠に輪を斷絶するもああかの荒寥たる平野の中日月我れを投げうつて去り意志するものを亡び盡せり...
萩原朔太郎 「氷島」
...寂寥感(せきりょうかん)やらで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...いつもうつむき加減でひら/\とする両つの振袖を軽やかに胸の上に合せて土橋の上をゆきゝする姿が真に幽かな蕭寥たる一幅の絵巻ものと見えた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...寥々(りょうりょう)たる松風の声ばかりではあると...
吉川英治 「新書太閤記」
...坐禅しながら死を待つあの寥々(りょうりょう)とした終焉(しゅうえん)の身辺も...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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