...彼はこうした荒寥たる国に生れ...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...――一つになるまでは「自己」の幸福を完くする事を得ざる寂寥の思ひである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...然るにドン・ホアンの寂寥は「無」の深淵に臨むの戰慄である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...寥々として寒さうな水が漲つて居る...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...人口稠密なるわが国においてすら餓死するものとては実に寥々(りょうりょう)たるにあらずや...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...茫々(ぼうぼう)たる大宇宙にただ一人の孤独! その寂寥(せきりょう)...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...この離宮は岩多きガダラマの荒寥たるなかに...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...今まで曾て味はつたことのない外国人としての寂寥がひしと私の胸を襲つて来た...
田山録弥 「北京の一夜」
...寂寥(せきりょう)たる蕭寺(しょうじ)の中に葬られたり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...深い寂寥に堪え得なければならない...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...仄暗い家の中の空気に頼り無い寂寥を満す時...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...その寂寥のうちに...
豊島与志雄 「死の前後」
...その割合の寥々(りょうりょう)たるには一層驚かざるを得ない...
新渡戸稲造 「民族優勢説の危険」
...今日よりまたいよいよ孤獨寂寥になつてゆく...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...寥々と瘠せた男が影のように坐っているさまは鬼気迫るような気がする...
久生十蘭 「魔都」
...救われる道がなく寥しい...
宮本百合子 「五月の空」
...茶山は蘭軒のこれによつて寂寥を免るゝを喜び...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この寂寥(せきりょう)はやぶれた...
吉川英治 「黒田如水」
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