...寂寥宿直(とのゐ)やつれの雛星(ひなぼし)は...
薄田淳介 「白羊宮」
...永遠にあの妻を失ってしまった後の荒寥落莫たる自分の生活を想うと...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...寂寥(せきりょう)とも寂莫(せきばく)とも...
橘外男 「墓が呼んでいる」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...流浪人の寂寥であり...
種田山頭火 「一草庵日記」
...今まで曾て味はつたことのない外国人としての寂寥がひしと私の胸を襲つて来た...
田山録弥 「北京の一夜」
...そりゃ寥々たるものにはちがいないさ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...私はこの寂寥(せきりょう)たるステーションにある一個の哀れなる信号手に過ぎないのです...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...古来邦画家は先人の画風を追従するにとどまって新機軸を出す人は誠に寥々(りょうりょう)たる晨星(しんせい)のごときものがあった...
寺田寅彦 「知と疑い」
...冷たい微風に似た寂寥を感じましたね...
豊島与志雄 「未亡人」
...それは一つの運命的寂寥すらが...
中井正一 「リズムの構造」
...かの燦爛たる燈火の光明世界を見ざる時は寂寥(せきれう)に堪へず...
永井荷風 「夜あるき」
...こゝに御一人にての御生活はさぞやお寥しきことならむとおもひつゝ暮刻戻る(下略)」でも...
正岡容 「山の手歳事記」
...木の葉も凋落(ちょうらく)する寂寥(せきりょう)の秋が迫るにつれて癒(いや)しがたき傷手(いたで)に冷え冷えと風の沁むように何ともわからないながらも...
水上滝太郎 「山の手の子」
...故友凄寥残夜星...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...もと富士山下の荒寥たる田舎を出て...
柳田国男 「雪国の春」
...寥々(りょうりょう)たる松風の声ばかりではあると...
吉川英治 「新書太閤記」
...坐禅しながら死を待つあの寥々(りょうりょう)とした終焉(しゅうえん)の身辺も...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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