...後者の生活にも亦寂寥と悲痛とがない事はない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...鉦や太鼓で探しても源太は寥々として虚しい...
伊丹万作 「余裕のことなど」
...ざれうたうれしのうれしやあつい湯のなかでまたの逢瀬をまつわいなわたしやうれしの湯の町そだちあついなさけぢやまけはせぬたぎる湯の中わたしの胸で主も菜ツ葉もとけてゆくもつとも温泉は満喫したが、嬉野ガールはまだ鑑賞しない!方々からのたより――留置郵便――を受取つてうれしくもありはづかしくもあつた、昧々、雅資、元寛、寥平、緑平、俊の諸兄から...
種田山頭火 「行乞記」
...生の孤独や寂寥や窮迫やは自殺の直接源(マヽ)因ではない...
種田山頭火 「其中日記」
...今まで曾て味はつたことのない外国人としての寂寥がひしと私の胸を襲つて来た...
田山録弥 「北京の一夜」
...滿目悉く荒寥としてゐるのに堪えかねて私は暫く土堤を歩いてゐたが...
近松秋江 「初雪」
...現在の自分がぽつりと置き忘れられてるような寂寥を感じ...
豊島与志雄 「立枯れ」
...云いようのない寂寥と苛ら立たしさとを感じた...
豊島与志雄 「囚われ」
...両岸の風景は今日よりも更に一層寂寥(せきりょう)であったに相違ない...
永井荷風 「放水路」
...その荒寥(こうりょう)とした眺めのなかの柱の周囲を鴎(かもめ)の群が...
中村地平 「南方郵信」
...その割合の寥々(りょうりょう)たるには一層驚かざるを得ない...
新渡戸稲造 「民族優勢説の危険」
...いいようもない寂寥感と...
火野葦平 「花と龍」
...強迫したやうな後悔と寂寥と...
牧野信一 「白明」
...家庭を失った人間の心の寂寥があたりの夜から迫って来た...
宮本百合子 「明るい海浜」
...おろかしい 寂寥の手おまへは...
八木重吉 「秋の瞳」
...寂寥(せきれう)漸(やうや)くに我(わ)れ今は寂(さび)し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...寥廓(れうくわく)の不動なる路(みち)彼(か)れを塞(ふさ)ぎ...
與謝野寛 「失楽」
...この寂寥(せきりょう)はやぶれた...
吉川英治 「黒田如水」
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