...あれ聞け……寂寞(ひっそり)とした一条廓(ひとすじくるわ)の...
泉鏡花 「歌行燈」
...寂寞(せきばく)として波濤(はとう)の音聞ゆ...
泉鏡花 「海神別荘」
...天地の寂寞を破りて...
大町桂月 「月の隅田川」
...四邊(あたり)は寂寞として靜かだ...
高濱虚子 「俳諧師」
...十風は死んだものゝやうに寂寞として目を瞑つた儘ぢつとして居る...
高濱虚子 「俳諧師」
...家の中は永遠の寂寞(せきばく)そのもののごとくに...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...寂寞(せきばく)を感じ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...汽笛の吼(ほ)ゆるごとき叫ぶがごとき深夜の寂寞(せきばく)と云う事知らぬ港ながら帆柱にゆらぐ星の光はさすがに静かなり...
寺田寅彦 「東上記」
...伯の晩年は甚だ寂寞で...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...第五編 首尾の相違一寂寞(せきばく)の地と兵営コゼットの悲しみは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...四辺(しへん)の寂寞(せきばく)と云い...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...汚水のような寞々(ばくばく)とした静かさになった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...――みずからを無用の人間と観ずる寂寞(せきばく)ほど深いものはあるまい...
本庄陸男 「石狩川」
...――その寂寞(せきばく)を破って...
吉川英治 「剣難女難」
...恍惚(こうこつ)――寂寞(せきばく)のなかに主客はややしばし唇(くち)をつぐみ合っていた...
吉川英治 「三国志」
...あとの寂寞(せきばく)とした大気の中にほしいままな舞躍(ぶやく)の声をあげている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そこは墓場ともない寂寞(せきばく)の地域に帰っていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...だが――その寂寞(じゃくまく)たる中にあって...
吉川英治 「宮本武蔵」
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