...思うに彼等は寂寞を感じているのかもしれない...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...東北の天地爲に寂寞ならざるを覺ゆ...
大町桂月 「金華山」
...『岸の山吹咲き亂れ』とか『汀の櫻散り敷きて』とか『青柳絲を亂し』とかある晩春初夏の景色は此落寞たる雪の中で固より想像することは出來ぬ...
高濱虚子 「俳諧師」
...索寞として音を立てて...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...翠緑の樹々に包まれた平和と寂寞(せきばく)さ!「ようし軍事施設は一切ないらしいな」凝乎(じっ)と眺めていたルドウィッヒ大尉は...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...今度こそは殺(や)られるだろう――ひっそりと落ちる闘牛場の寂寞――...
谷譲次 「踊る地平線」
...しかしその微笑には深い寂寞を湛へてゐたこととおもふけれども...
近松秋江 「箱根の山々」
...死の寂寞(せきばく)が領しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一種の寂寞(せきばく)を感じているのであろうともいった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...一種の寂寞である...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...氏なからんか余は到底この寂寞に堪へざるべし...
牧野信一 「サフランの花」
...索寞(さくばく)といふよりは...
三島霜川 「青い顏」
...寂寞のうちにあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...水の音ばかり聞こえる寂寞(せきばく)境ですからね...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...久しく寂寞(せきばく)な家庭におかれていた彼も...
吉川英治 「三国志」
...叡山の上は俄に寂寞(せきばく)な冬を来たし...
吉川英治 「私本太平記」
...その伽藍(がらん)がもっている寂寞(じゃくまく)を鐘のように破るものだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...寂寞(せきばく)としてしまった大地を嘲(あざけ)るように...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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