...それは九日に手向けたらしい寒菊や南天の束の外に何か親しみの持てないものだった...
芥川龍之介 「年末の一日」
...当時水茶屋で名高かったのは、薬研堀(やげんぼり)の初鷹、仲通りの寒菊、両国では森本、馬喰町四丁目の松本、まだ沢山ありましたが、多くは廃業しましたね...
淡島寒月 「江戸か東京か」
...寒菊堂...
高浜虚子 「五百句」
...・おもふことなく枯木をひろひあるきつつ茶の花のちりしくところ寒菊の花・こちらがあゆめばあちらもうごく小春雲・すゝきをばながほほけたままに住みなれた・ゆふ月が...
種田山頭火 「其中日記」
...寒菊のうつくしさ...
種田山頭火 「其中日記」
...黄いろい寒菊(かんぎく)の小さいのと趣(おもむき)に富んだ対照をなした...
田山花袋 「田舎教師」
...寒菊の葉の露霜にさびた色などは如何にも巧である...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...寒菊が清楚に活けてあった...
豊島与志雄 「無法者」
...けれども寒菊(かんぎく)とみえて...
夏目漱石 「三四郎」
...津田は正面に当る床の間に活立(いけたて)らしい寒菊の花を見た...
夏目漱石 「明暗」
...それを床(とこ)の間(ま)に活(い)けてある寒菊の花の上に落した...
夏目漱石 「明暗」
...侘しい寒菊が咲いてるのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...机の上の青磁の花瓶に寒菊が二三本してある...
久生十蘭 「湖畔」
...其代り真夏にも寒菊が活(いけ)てあったりする...
二葉亭四迷 「平凡」
...北豊島の郡(こおり)といへば、何となう『江戸名所図会』などみる心地して昔めかしく、寒梅、寒菊、福寿草その他春待つ花樹をひさぐ植木屋のいと多きも、寂しきこのごろの我がこゝろには、いたく和みぬ、されば一日そが果樹園に杖ひくうち、葉柊(ひいらぎ)に似て異国めき、名はわからねど植木屋もたゞ「西洋の、おめでたき草……」とのみよべる珍草あり、さして風情はあらざりしが、奇(めづら)しきまゝ求め来(きた)り、綺堂、岡本先生に贈り参らせたり...
正岡容 「滝野川貧寒」
......
山川登美子・増田雅子・與謝野晶子 「恋衣」
...寒菊を圍うた庭もあり...
室生犀星 「星より來れる者」
...寒菊(かんぎく)の...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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