...寒威惨(かんいさん)として揺(ゆる)がず...
有島武郎 「星座」
...本篇一○頁上段に「表てのみは一面に氷りて朝に戸を開けば飢ゑ凍(こゞ)えし雀の落ちて死にたるも哀れなり云々」の語あるを以ツて人或は独乙は温かき生血を有する動物が凍死する程寒威(かんゐ)凛烈(りんれつ)の国なるやと疑ふものあり...
石橋忍月 「舞姫」
...然れども独乙には実際寒威其者よりも寧(むし)ろ氷雪の為めに飼料を求むる能はざるが為めに飢死する小動物ありと聞く...
石橋忍月 「舞姫」
...あけの春(はる)大樟(おほくすのき)に雲(くも)かゝるなほ例年(れいねん)に比(ひ)し寒威(かんゐ)きびしき由(よし)にて梅(うめ)なほ蕾(つぼみ)なり...
泉鏡太郎 「熱海の春」
...○積雪(せきせつ)家(いへ)を埋(うづ)め却(かへつ)て寒威(かんゐ)を禦(ふせ)ぐ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...此(この)地(ち)の冬季(とうき)の寒威(かんゐ)は實(じつ)に烈(はげ)しく...
關寛 「命の鍛錬」
...七まだ二月半ばの厳(きび)しい寒威は残っていても...
近松秋江 「霜凍る宵」
...北米ノ天ハ寒威猛烈ナル極月ノ...
中里介山 「大菩薩峠」
...この三千メートルの高空の寒威から護ってくれる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...厳格と寒威との間に立った石燈籠がやっと柔和に見え...
室生犀星 「庭をつくる人」
...「閏年寒威奈難消...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「今歳寒威殊栗烈...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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