...「まち」の特色に富みたるものを我久保田万太郎君と為す...
芥川龍之介 「久保田万太郎氏」
...対聯(たいれん)比照に富み...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...多分そのルナ・アミーバーは身体を耐熱耐圧性(たいねつたいあつせい)に富み...
海野十三 「崩れる鬼影」
...身体(からだ)は鯨骨(くじらぼね)の様にしなやかで弾力に富み...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...ユーモアとウイットに富み...
妹尾韶夫 「「ザイルの三人」訳者あとがき」
...幼少時代の環境からして自然についての知識に富み...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...年一年と工夫に富み...
太宰治 「津軽」
...王として生死の運の人間の中に最も富みし者...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...父は豐かに家は富み...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...機略に富み決断に長ずれども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...百姓大腹なれば国富みて兵強く...
中里介山 「大菩薩峠」
...中老人と言つても、五十になるやならずで、男前も立派、武藝のほどは知りませんが、金も相當以上に持つてゐるらしく、分(ぶん)に過ぎた慈悲善根(じひぜんこん)を施(ほど)こして、その日/\を豊かに暮して居るのに、少しも困る樣子は無いばかりでなく、益々富み榮えて、『あれは金の實(な)る木でも植ゑてゐるのだらう』と、近所の人たちから噂されたほどです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...即ち大衆小説の筋は活動、変化に富み、人間味に富んでゐなければならぬ...
平林初之輔 「商品としての近代小説」
...あの、精悍無比にして、義に富み、信に深く、崇神の念に厚く、婦女を敬ひ、智謀に長けた永遠の血脈をありのまゝに中世紀時代の数々の騎士達の胸に伝へて、大陸の歴史を花と色彩つたところのガスコン民族やゴツス人の精気が、凝つて一団となり此処にも生れたか――と思はずには居られない程に、この奔放無礙なる大振舞ひに一途の精神を打ち込めた太鼓たゝきの荒武者の打ち鳴らす太鼓の音は、聴く者、視る者の魂を力強く極楽の空に拉した...
牧野信一 「バラルダ物語」
...昨今日本に多い不義にして富みかつ貴き輩の子が父の事を語るを慙(は)ずるのあまり...
南方熊楠 「十二支考」
...その女富み栄え衆人に愛され為(な)すところ成就せざるなしと...
南方熊楠 「十二支考」
...ねがわくは、ご本国の概要を聞かせ給え」「されば、蜀はわが大陸の西部に位し、路に錦江(きんこう)の嶮をひかえ、地勢は剣閣(けんかく)の万峰(ばんぽう)に囲まれ、周囲二百八程、縦横三万余里、鶏鳴(けいめい)狗吠(くはい)白日も聞え、市井点綴(しせいてんてつ)、土はよく肥え、地は茂り、水旱(すいかん)の心配は少なく、国富み、民栄え、家に管絃あり、社交に和楽あり、人情は密に、文をこのみ、武を尚(とうと)び、百年乱を知らずという国がらです」「おはなしを承っただけでも、一度遊びに行ってみたくなりますね...
吉川英治 「三国志」
...そして国民は全体としてより富みもせずより貧しくもならないであろう...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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人は見かけによらぬもの 貧弱な すっぽり
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